成田“スコット流”で進化!円安効果で1億円突破狙う

[ 2014年11月7日 05:30 ]

2番、紅葉の木々を背に、豪快なティーショットを放つ成田

 国内唯一の全米女子ゴルフ協会公式戦で日本ツアーも兼ねる「2014ミズノクラシック~伊勢志摩~」(スポーツニッポン新聞社など主催)は7日、三重県志摩市・近鉄賢島カンツリークラブで開幕する。今季3勝の成田美寿々(22=オンワードホールディングス)は6日、練習ラウンドで最終調整した。円安の影響で優勝賞金が3日間大会では国内最高額の約2000万円になることが予想される中、成田は日本人10人目の年間1億円プレーヤーを目指す。

 日本人最上位の賞金ランキング4位につける22歳が新たな“武器”を身に付けて大会に挑む。成田はアウト9ホールを回って調整。「調子はまずまず」といよいよエンジンがかかってきた。

 今季の目標は「メジャー1勝を含む年間3勝」だったが、5月に国内メジャー初戦ワールド・レディース・サロンパス・カップを制するなど、3勝を積み上げ目標を達成してしまった。

 そこで、新たな目標としたのが年間獲得賞金1億円超えだ。日本人は過去9人しか達成しておらず、いわばトップ選手の証。「1億円プレーヤーって肩書としてもかっこいい」とモチベーションも高まっている。ここまでの獲得賞金は9156万5183円だが、今大会の賞金は10日の為替レートで円換算される。6日の時点で1ドルは114円。円安の効果もあり優勝賞金18万ドルは約2000万円にふくれあがる見込みで、単独3位(約900万円)以上で大台に到達する。「おいしいですね」とホクホクだ。

 準備もぬかりない。前週は名古屋でエイムポイント・エクスプレスと呼ばれる最新のライン読みの手法を学んだ。これは足の裏でグリーンの傾斜を感じ取り、その傾斜の度合いに応じてパットを打ち出す位置を決めるというもの。世界的にも実践する選手が急増しており、13年マスターズ覇者のアダム・スコットや今大会に出場するステーシー・ルイスの男女の元世界ランク1位選手も取り入れている。最近は「思ったところに打てているのにラインが全然読めない」と不振に陥ったことから受講を決めたという。

 エイムポイント受講にかかった費用は10万円弱だが、それが一気に2000万円に化ける可能性もある。「練習ではラインを読めている。本番でも(エイムポイントを)取り入れる」と実戦投入する意向。グリーン上での進化を遂げた新・成田が大会の主役に躍り出る。

 ▽エイムポイント・エクスプレス アメリカのマーク・スウィーニー氏が提唱するグリーン上でのライン読みの方式。日本にも名古屋などにインストラクターが数人いる。グリーンの傾斜を足の裏の感覚で感じ取り、その傾斜のレベルに応じてパットの打ち出す方向を決めるというもの。視覚情報だけに頼らない新たなパッティング理論で、男子プロは世界ランク2位のアダム・スコットや13年全米オープン優勝のジャスティン・ローズ、女子プロは17歳にして米ツアー4勝のリディア・コらが実践している。

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