スマイルジャパン　世界５位・格上スイス破る金星！

第２ピリオド、攻めこむ平野（中央左）と床亜（同右）。手前は獅子内。ＧＫ藤本那

女子アイスホッケー５カ国対抗戦第３日

（11月9日 新横浜スケートセンター）
　ソチ五輪に出場する世界ランク１０位の日本代表「スマイルジャパン」が同５位のスイスを２―０で破る金星を挙げた。第１ピリオドに平野由佳（２６＝三星ダイトーペリグリン）が先制ゴール。第３ピリオドにはＦＷ久保英恵（３０＝西武プリンセスラビッツ）が追加点を挙げ、２戦連続で完封勝ちした。１０日はソチ五輪１次リーグで対戦する同７位のドイツと戦う。

　スマイルジャパンがソチ五輪１次リーグで上位４カ国のＡ組に入るスイスを破った。１―０の第３ピリオド９分、相手に競り勝ったエース久保が「前が空いていたのでシュートを打った」と鮮やかな２点目。「良い時間帯だった」と安どの表情を浮かべた。スイスは残り１分半で６人攻撃を仕掛けてきたが、最後まで集中力を切らさなかった。

　第１ピリオド８分、ＤＦ青木香のシュートを平野がワンタッチでコースを変える技あり弾。ゴールを背に「パックが枠外だったので」と後ろ手で押し込んだ。３戦連続で先制したチームはシュート数３５―１２と圧倒。「チェックが速い分、攻めるチャンスが増えた」と久保が言うように課題の１対１で負けず、前線での激しい守備でパックを奪っては攻撃につなげた。

　スイスは大会開幕日の７日に来日し、主力３選手を欠くなどベストコンディションではない。だが、過去１勝９敗の格上からの金星に、飯塚監督は「中盤は相手のペースに合わせてしまったのが反省点だが、速いチェックで自陣でのピンチも少なかった」と評価した。

　１０日はソチ五輪で対戦するドイツと当たる。相手はベストメンバーがそろうが、エース久保は「スピードあるプレーをして、結果を残してソチへ弾みをつけたい」と力を込めた。スマイルジャパンが五輪前哨戦に挑む。

　≪アスナビで入社　久保同僚が応援≫２点目を挙げた久保はＪＯＣ（日本オリンピック委員会）の就職支援「アスナビ」を通じ、「太陽生命保険」に１０月１日付で入社。この日は同社職員７０人が応援に駆け付け、バルーンで声援を送った。月に１０回ほど出社し、午前９時から昼すぎまで広報の仕事に就いている久保は「応援してもらったので結果を残したかった」と笑顔。一度は引退も、五輪を諦めきれずに復帰したエースの夢舞台はすぐそこまで来ている。