ミス連発…カーワン・ジャパン 課題の白星締め

[ 2011年8月22日 06:00 ]

<日本・アメリカ>後半14分、菊谷が抜け出してトライを決める

ラグビーW杯2011壮行試合 日本代表20―14米国代表

(8月21日 秩父宮)
 世界ランク13位の日本代表は雨の中で同18位の米国代表と対戦し、20―14と逆転勝ちした。前半を8―14で折り返した日本は後半14分にNo・8菊谷主将、同26分にWTB宇薄(うすずき)が立て続けにトライを奪って米国代表戦3連勝。W杯前最後の実戦を白星で飾ったが、格下相手にミスを連発するなど本番へ課題も残した。ジョン・カーワン・ヘッドコーチ(46)は22日にW杯に出場する日本代表30人を発表し、30日にW杯の開催地ニュージーランドに向けて出発する。

 菊谷主将は試合後の勝利者インタビューで、険しい表情を浮かべていた。格下の米国に後半の2トライで逆転勝ち。だが、相手はサントリーで活躍しているフランカーのトレバー主将ら主力が欠場していた。菊谷主将は雨にもかかわらず駆けつけた1万2519人のファンに「情けない試合をしてしまった」と頭をペコリ。W杯前最後の実戦で快勝といかず、気持ちは天候と同じように晴れなかった。

 出足は上々だった。前半6分、ラックから素早い球出しで最後はFB上田がインゴールに飛び込んで先制。だがその後、雨の影響でキック処理にもたついて2トライを失い、ゴール前まで攻め込んでのノックオンが繰り返された。「自分たちのミスから相手にトライを譲っている」と菊谷主将。逆転勝利で何とか面目を保ったが、みすみす主導権を手放すような前半の内容には課題を残した。

 W杯本番を見据え、カーワン・ヘッドコーチは「最初の2戦は接戦に持ち込み、残り2戦で勝つ」との目標を掲げている。日本は初戦で世界4位のフランス、2戦目で同1位のニュージーランドと対戦。当然、第3戦のトンガ戦は負けられない試合となる。ニュージーランド戦から中4日の厳しい日程と選手の疲労を考慮すれば、控え組の底上げは不可欠。だからこそ、この日の米国戦では14日のイタリア戦から先発を12人入れ替え、控え組中心のメンバーにチャンスを与えた。

 米国は日本とW杯1次リーグ第4戦で当たるカナダと今月2度対戦し、7―27、22―28でいずれも敗れている。それだけに、苦戦した試合内容にカーワン・ヘッドコーチは「まあまあの試合。W杯に向けてレベルアップをしないといけない」と煮え切らない表情に終始した。W杯では初の1次リーグ突破を狙うからこそ、この日出場した控えメンバーのさらなる強化が必要となる。

 ▼米国ペトリ・ゲーム主将 日本はいいチームだった。カナダも日本もいいチーム。W杯は面白い試合になると思う。

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2011年8月22日のニュース