米国在住の98歳福田敬子さん 女性初の柔道10段に 

[ 2011年8月22日 16:39 ]

米国柔道連盟から女性として初めて10段昇段を認められた福田敬子さん=20日、サンフランシスコの「桑港女子柔道クラブ」

 柔道の指導のために米国に渡った98歳の福田敬子さんが7月28日付で米国柔道連盟から女性として初めて最高位の10段昇段を認められた。

 40年以上も主宰するサンフランシスコの「桑港女子柔道クラブ」の道場で20日、白い柔道着に9段以上を示す紅色の帯を締めた福田さんは「うれしいを通り越して恐縮至極。これから責任の重さを感じる」と、ほほ笑んだ。講道館の段位は9段のまま。
 

 高台の住宅街にある道場には今でも週2度は出向く。病気で足が弱り、教え子の支えなしには畳に上がれない。それでも準備運動の際には椅子に座って腕を回し、稽古中は厳しい視線を注ぐ。
 
 東京都出身。柔道の父といわれる嘉納治五郎が柔術を学んだ福田八之助を祖父に持つ。21歳の時に嘉納に誘われて講道館女子部へ。1964年東京五輪では「柔の形」を披露する大役を得た。
 
 知人の招きで訪れたサンフランシスコに数カ月だけ滞在するはずが、生徒に指導を続けてほしいと懇願された。「嘉納先生はチャンスがあるうちに自分を全うすべきと言われていた。自然に道が開けた」。米国に腰を据えて77年に市民権を取得。周囲に「私は柔道と結婚した」と話し、世界各国で普及に励んだ。

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