桃子メジャー初Vへ“バレステロス氏のように”攻める

[ 2011年5月8日 06:00 ]

3番、傘をさしながら2打目へ向かう上田。8アンダーで単独首位

ワールド・レディース・サロンパス・カップ第3日

(5月7日 茨城・茨城ゴルフ倶楽部西コース=6655ヤード、パー72)
 上田桃子(24=フリー)が、初のメジャータイトルに王手をかけた。3バーディー、1ボギーの70とスコアを伸ばし、通算8アンダーの単独首位に立った。憧れだったセベ・バレステロス氏のように、最終日は観客を魅了する攻撃ゴルフでメジャー初奪取を狙う。昨季賞金女王のアン・ソンジュ(23=韓国)が1打差の2位につけ、66のチャージを見せた横峯さくら(25=エプソン)が5打差の5位に浮上。宮里藍(25=サントリー)は77の大叩きで通算8オーバーの55位に沈んだ。
【第3R成績】

 初めてのメジャー制覇に王手をかけた上田だったが、その表情には不満がありあり。雨が降って重くなったグリーンでパットが打ちきれず。3日目とあってセーフティーにプレーを進めた自分に納得がいかなかった。

 「2日目までと違ってガンガンいくばかりではなかった。だけど、それじゃあストレスがたまった。あしたは自分のゴルフだけを考えて攻めていきたい」

 同組のアン・ソンジュやテレサ・ルーとの競り合いだった。13番ではキャディーとラインの読みが合わず、気持ちを定めずに打った2メートルのパットが外れて初ボギー。リズムを崩してもおかしくなかったが「次のショットはまた別のショット。自分ならまっすぐ打てる」と切り替えて14番はバーディーを奪い返した。

 メジャー3日目としては合格点の内容。しかし、尊敬するあの選手なら、もっと果敢にピンを攻め、強気にパットを打っていったはず。脳裏にはありし日のバレステロス氏の姿が浮かんでいた。

 ホールアウト直後に関係者からバレステロス氏逝去のニュースを聞かされ「えっ!そうなんですか」と表情を曇らせた。リアルタイムではもちろんその活躍を知らないが、江連アカデミーにいた頃に「江連さんが凄くたくさんビデオを見せてくれた。あれだけたくさんのショットをつくれる選手はいない」と憧れの存在となった。米国では「誰か2人と同組で回るとしたら?」とよく質問されるが、いつもタイガー・ウッズとバレステロス氏の名を挙げてきた。

 「魅せる選手というのはああいうこと。悲しいけど、あしたは自分がそういうプレーをしたい」。1打差で迎える最終日は自らの攻撃的なスタイルでメジャーを勝ち獲りにいく。それはどんな場所からでも果敢にピンを狙ったバレステロス氏にも通じるゴルフだ。

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