納得できん!処分に猛反発“集団提訴”も…

[ 2011年4月2日 06:00 ]

臨時理事会後、報道陣に囲まれる谷川親方

大相撲八百長問題

 大相撲の八百長に関与したとして「引退勧告」「退職勧告」などの処分を下された力士、親方らが、日本相撲協会を“集団提訴”する可能性が出てきた。相撲協会から八百長問題の対応を一任された特別調査委員会(伊藤滋座長=早大特命教授)が、物的証拠がないまま処分案をまとめたため、クロと認定された力士や親方が猛反発。訴訟に発展すれば八百長問題の実態解明は新たな段階に進むことが予想される。

 特別調査委の実態解明に“非協力的”とみなされ「引退勧告」などを宣告された力士、親方の表情は怒りに満ちていた。

 理事会で「退職勧告」を告げられた谷川親方(元小結・海鵬)は「こんなばかな話はない。春日錦(現竹縄親方)と同じ時期に一緒の番付にいただけで処分されるのはおかしい。理事会では調査委員会のずさんな調査への不満を言った。法的手段に訴える」と憤った。また、「引退勧告」を受けた三段目・山本山は「調査委にクロと決め付けられた。裁判を起こしても(協会が)勝つから無駄なことはしない方がいいというようなことを言われた。頭に来ます」と特別調査委の対応に強い不満を示した。物的証拠を一切提示されることはなく、一部の力士の供述だけで処分を言い渡された。さらに調査委の伊藤座長は、八百長への判断根拠について「聞き取り調査の内容と態度」などあいまいな基準を掲げていた。それだけに八百長を否定しながら処分を受けた調査対象者が、処分に納得できるはずもなかった。

 既に特別調査委が25日にクロ認定の力士、親方の事実上の解雇方針を定めて以降、一部の力士らの間では協力して提訴に踏み切る動きが出ていた。幕内の白馬は「提訴については一人で決められない。みんなと話すことになると思う」と話し、幕下の白乃波も「みんなで(今後の)対応を考えたい」と“集団提訴”に踏み切る考えを明らかにした。相撲協会や特別調査委の関係者は訴訟となっても一部力士らの証言だけで「勝てる」と自信をのぞかせているが、裁判の過程で八百長問題が新たな広がりを見せることになれば、相撲協会にとっても大きなダメージになるのは間違いなさそうだ。

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2011年4月2日のニュース