まけるな日本!東北高出身・有村2差5位発進

[ 2011年4月2日 06:00 ]

第1ラウンド、6番でアプローチショットを放つ有村智恵。4アンダーでホールアウトした

USLPGAツアークラフト・ナビスコ選手権第1日

(3月31日 米カリフォルニア州ランチョミラージュ ミッションヒルズCCダイナショアC=6738ヤード、パー72)
 海外メジャー第1戦が開幕し、東北高出身で被災地復興を願う有村智恵(23=日本ヒューレット・パッカード)は1イーグル、4バーディー、2ボギーの4アンダー、68で首位と2打差の5位と好スタートを切った。宮里美香(21=NTTぷらら)は67をマークし、3位発進。宮里藍(25=サントリー)の18位など日本勢は7人のうち5人が20位以内。「まけるな日本」を合言葉とする大和なでしこが存在感を示した。

 気合でねじ込んだ。インから出てスコアを2つ伸ばして迎えた2番パー5。有村は残り250ヤードの第2打を3Wでピンまで10メートルに運んだ。「真っすぐの上りなのでチャンスだと思っていた」。ロングパットを沈めてイーグル。68をマークし、首位と2打差の5位と上々のスタートを切った。

 実は「(アイアン)ショットの調子が良くなかった」というが、逆に「集中力が増して途切れることがなかった。一つ一つ気持ちを込めてできた」と好スコアを生んだ。14番パー3ではグリーン左のラフからチップインバーディー。アプローチとパットでカバー。「こんな調子でもいいスコアが出せた。(9位と健闘した)去年より全体的にスキルアップしている」と手応えをつかんだ。

 宮城・東北高出身の有村は今季2試合の獲得賞金約1200万円を東日本大震災の義援金として寄付し、自身のホームページで募金を訴えてきた。震災後に迎える初めての試合。日本ではスポーツの大会実施が軒並み見送られてきたが、東北の知人からは「ゴルフをする姿を見たい」と逆にエールを送られていた。

 開幕前「できれば優勝することが、日本の皆さんが一番喜んでくれることだと思う。でも、自分だけでなくて日本人の選手が上位で争って、誰かが優勝できたらいいなと思う」と語っていた。この日、日本人選手は全員が「まけるな日本」のバッジをつけ5人が20位以内と健闘。自身も言葉通りのプレーを見せた。

 「メジャーは4日間、集中力を切らさないことが大事。たくさんの人たちが日本で頑張っている。私が頑張ることで何か伝えることができるのなら最後の最後まで諦めずにやる」。第二の故郷への思いも乗せて戦い抜く決意を示した。

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