“三つ巴”のV争い!慶大“魂”で望みつなぐ

[ 2010年12月4日 06:00 ]

 関東大学ラグビーの対抗戦グループは4日の慶大―帝京大(秩父宮)、5日の早大―明大(国立)の結果で優勝が決まる。早・慶・明の3校に優勝の可能性があるが、自力優勝が消滅した慶大は、帝京大に勝つのが最低条件。先月23日の早慶戦で10年ぶりに早大を下した勢いで帝京大に「魂のタックル」を見舞う。早大、明大も3日は最終調整をした。

 慶大は3日、神奈川・日吉グラウンドで最終調整した。左膝前十字じん帯損傷で離脱していたCTB竹本主将は早慶戦で今季初出場。ゴール前で早大を何度も押し返したタックルに「相当よかった。自信になった」と手応えを話した。
 激闘でSH古岡が負傷し、小斉平が先発するが不安はない。「(タックルがいい)古岡より球出しが速い。テンポを上げていく」と竹本主将。何より「勝たないと何も始まらない」という気持ちが、早大戦後の燃え尽き症候群を防いでいる。
 帝京大には対抗戦優勝が懸かった昨季に逆転負けした借りがある。対抗戦優勝すれば00年以来、10年ぶり。さらに敗れると対抗戦4位で、大学選手権の組み合わせが大きく不利になる。林監督は「慢心は怖いがモチベーションは多い」と気持ちを高めて臨むつもりだ。

 <早大・有田、主将対決に闘志>No・8の有田主将は同じポジションの明大・杉本主将との対決を前に「常に対面には1対1で勝たないといけないと思っている」と意欲をのぞかせた。高校時代の対決では勝っているが「体を張ってプレーする姿は昔と変わっていない。明治のキープレーヤーの1人だと思う」と警戒。「やはりFWで勝った方が勝つと思う」と主将対決がチームの命運を握ると踏んでおり、気合十分だった。

 <明大・杉本「借り返す」>現在12トライでトライ王のNo・8杉本主将が同じポジションで主将を務める早大の有田にリベンジを果たす。高校時も互いにNo・8で主将を務め、全国高校ラグビー準決勝で対戦。杉本の大工大高(現常翔学園)は有田の東福岡に10―53で敗れた。「あの時の悔しさは忘れていない。借りを返したい」と闘志を高めた。2学年上の兄・晃一(トヨタ自動車)が明大主将時は早明戦で9年ぶり勝利を挙げた。兄から電話で激励され「僕も続く」と誓った。

 ◆早慶明の優勝条件 明大は早明戦に勝つか引き分けで優勝決定。早大は、慶大が引き分け以下で早明戦に勝てば逆転優勝。慶大は帝京大に勝った上で早大が早明戦に勝って3校が6勝1敗で並ぶことが最低条件。その場合は3校間の対戦でのトライ数で順位が決まる。現在の当該対戦でのトライ数は慶大4、明大3、早大1。明大は早明戦で2トライ以上奪って1トライ差以内に抑えること、早大は3トライ以上の差をつけて4トライ以上奪うことが必要。慶大は早大が2トライ以内、明大ノートライで優勝が転がり込む。

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2010年12月4日のニュース