優勝しかない池田、石川…逆転賞金王にかける2人

[ 2010年12月4日 18:04 ]

 【日本シリーズJTカップ第3日】ラウンド後、たそがれの練習場に注目の3人が並んだ。賞金王に最も近い金庚泰がチップショットを繰り返す前で、逆転賞金王の条件となる優勝を狙う池田、石川がクラブを振る。見学席に鈴なりとなったファンが、緊迫感漂う光景を静かに見守った。

 今季の王座をめぐる争いは、最終日に持ち越された。グリーン上で精彩を欠いた池田は7番で2メートル弱のバーディーチャンスにつけながら3パットをたたくなど後退。だが、集中力は途切れなかった。「パットが入るかどうかは本当にわずかの差。運もある」。強気を失わず、17番(パー5)でピン手前5メートルに2オンしてイーグルを奪った。

 難しい18番も切り抜けて上位に踏みとどまった後も、闘志をむき出しにした。最終日最終組に入るため、7アンダーで並んだ同組の2人より意識的に先にスコアを提出した。思惑通りに「舞台は整った」と、険しい顔を崩さずに言った。

 首位と8打差となった石川は吹っ切れた表情で「悪い内容ではなかった。優勝の望みはつながっていると思う」と話した。ことしの中日クラウンズは最終日に58で逆転優勝。今大会も第2日に62で回った。秘める爆発力に自覚はある。「今季最後のラウンド。それなりの思い入れはある。がむしゃらに攻めたい」と、あきらめる気配はなかった。

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2010年12月4日のニュース