横審も“全面降伏”石橋氏「よくやった」

[ 2009年1月26日 06:00 ]

関係者とともに支度部屋でピースサインの朝青龍

 【大相撲初場所千秋楽】朝青龍の涙の復活優勝に、批判の急先鋒(ぽう)だった横綱審議委員会の石橋義夫前委員長が態度を一変させた。場所前の稽古総見で朝青龍が稽古不足を露呈した際に「今場所、成績が悪ければ引退勧告もある」と厳しい口調で指摘したのが石橋氏だった。ところが、この日は「あす(26日)の横審でも言うことはない。本人に会ったらよくやったと褒めてあげたい」と“全面降伏”だ。海老沢勝二委員長も「いろいろなことを乗り越えて優勝したことは評価できる。途中で暴言をはいたりしたかもしれないけど、根は優しい男なんだよ」と場所中の問題行動を肯定的に受けとめた。

 相撲協会の幹部からも称賛の声が相次いだ。場所前に遠回しに休場を勧めていた武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は「凄いとしか言えない。凄い精神力だ」と賛辞。放駒審判部長(元大関・魁傑)も「朝青龍はいつが全盛期かは分からない。今だって全盛期かもしれない」と舌を巻いた。

 その一方で辛口の意見もあった。審判部のある親方は「今場所に限らず、朝青龍の土俵態度は横綱以前の問題。力士としてやってはいけないことが多過ぎる」と注文。相撲協会の再発防止委員会外部委員の漫画家やくみつる氏は「久々に土俵上で堪能できる相撲を見せてもらった」と取組を評価しながらも、朝青龍が天狗(ぐ)にならないかを危ぐした。「強さが戻っただけでなく、以前の傍若無人に振る舞う朝青龍に戻りかねない。祝賀ムードに流されず、上の人が苦言を呈するようにしなければ…。めでたさも中くらいなり、オラが春」と複雑な心境を口にした。

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2009年1月26日のニュース