愛子 今季初優勝!バンクーバーへ自信

[ 2009年1月26日 06:00 ]

W杯女子モーグル第2戦で今季初優勝し、表彰台で笑顔を見せる上村愛子(中央)。右は2位のジェニファー・ハイル、左は3位のハナ・カーニー

 フリースタイルスキーW杯女子モーグル第2戦は24日、カナダ・モンガブリエルで行われ、昨季のW杯種目別で総合優勝した女王、上村愛子(29=北野建設)が、25・53点の高得点で今季初優勝を飾った。昨年12月の今季開幕戦で6位に終わり、W杯の連勝は「5」でストップしたが、5週間ぶりに再開した第2戦でW杯通算8勝目を挙げた。06年トリノ五輪覇者ジェニファー・ハイル(カナダ)らを破り、10年バンクーバー五輪のプレシーズンでも強さを見せつけた。

【Go!アスリート上村愛子】

 ゴール直後、上村は会場の放送が聞き取れず、しばらく順位が分からなかった。ライバルとのハイレベルの接戦。テレビスタッフの1番のしぐさで優勝を知ると、両腕を突き上げ「勝てるかはゴールしても分からなかった。去年、総合優勝したことを自分の滑りで示せた」と笑顔を見せた。
 前日の予選を25・81点でトップ通過し、決勝は最終スタートだった。トリノ五輪金メダルの地元のハイルが25・51点で首位に立ち、開幕戦優勝のカーニー(米国)も24・89点の高得点を出していた。重圧がかかったが、上村は予選でバランスを崩した第1エアのヘリコプターを高いジャンプでまとめると、中盤のターンでスピードに乗った。
 エアに差はなく、タイムも上位3人はほぼ同じ。昨季の躍進の原動力となったターンのうまさでハイルをわずか0・02点上回った。「去年は2人がケガでいなかったから優勝できたと言われるのは悔しい」と話していた思いを晴らした。
 高野ヘッドコーチは「凄かった。スピードと躍動感のある愛子らしい滑りだった。強い上村愛子が出来上がっている」と興奮気味に話した。開幕戦は古傷の左ひざに痛みが出たことに加え、前年女王の気負いから空回りした。「気負ってもいい滑りはできない。今回は、凄くうまく自分の調子を上げて気持ちを平常心に持っていけた」と上村も喜んだ。
 6位だった今季初戦の不安を一掃し、五輪プレシーズンも強さが持続していることを証明した。3月の世界選手権(猪苗代)で3位以内に入れば、バンクーバー五輪代表に内定する可能性がある日本のエース。悲願の五輪メダルへ向け、準備は着々と進んでいる。

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2009年1月26日のニュース