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【コラム】西部謙司

やっぱり1ステージ制で良かったような…

[ 2015年11月6日 05:30 ]

 J1もいよいよ残り2試合となったが、個人的にはいまいち盛り上がらない。セカンドステージ優勝がどこになっても、すぐにチャンピオンシップが続くので注目はどうしてもそちらに集まる。セカンドステージの王者がどこかというより、どのチームがチャンピオンシップにエントリーできるかという見方になってしまうのだ。

 サポーターは年間順位とステージ順位、2枚の順位表を見ながらの観戦になっていることだろう。最終的にチャンピオンを決めるのがチャンピオンシップである以上、リーグ戦はどうしても予選的な扱いになってしまう。

 年間勝ち点の1~3位とステージ優勝チームの最大5チームによるチャンピオンシップの形式は、非常に複雑でわかりにくい。けれども良く考えられていると思う。年間勝ち点に価値を置いたのは納得できる。ただ、これなら2ステージ制にしなくても良かったのではないか。普通に年間リーグをやった後、勝ち点1位をシードにして3チームでプレーオフをやっても大して変わらない気がする。

 実際、第15節終了時点ではサンフレッチェ広島、浦和レッズ、ガンバ大阪の3チームによるチャンピオンシップになる。ここにシーズンの半分だけ調子が良くてステージ優勝したチームが加わるより、ナンバーワンを決めるのに相応しいのではないか。もちろん、年間優勝が決まっているのに、わざわざチャンピオンシップをやる必要があるのかというと、「ない」と答えざるをえない。だが、チャンピオンシップはそもそもオマケなのだ。Jリーグをより盛り上げるための興行である。年間リーグとは別の大会として、チャンピオンを決めればいい。

 2ステージ制のステージ優勝は素直に喜びきれない。さらに年間最多勝ち点をとってもチャンピオンシップに勝つまでは喜べない。チャンピオンシップ優勝以外は喜びも中途半端になり、つまり価値が目減りしてしまう。それよりも、年間優勝はチャンピオンと認めて大いに喜んでもらい、そのうえで強者を集めて密度の高いチャンピオンシップという別の大会の王者も決める。このほうがスッキリするし、掛け値なしに優勝を喜べる機会が1つから2つになるのでベターではないか。(西部謙司=スポーツライター)

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