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高橋の母も涙…「子供のころの顔に戻っていた」

[ 2010年2月20日 06:00 ]

フィギュアスケート男子の高橋大輔選手の銅メダルが決まり、喜びを語る母清登さん

 【男子フィギュアスケート】自然と涙がこぼれた。高橋の母・清登さん(60)は「公式の場ではいつもそうなんです」という着物姿で、高橋の母校・倉敷翠松高で在校生らとともに観戦した。

 4回転ジャンプの時には「怖くて見られなかった」と下を向いたが、メダル獲得が決まるとハンカチで目頭を押さえながら拍手。笑顔の愛息を画面越しに見つめると「すごくかわいい顔をしてた。スケートを始めたころの顔に戻っていた」と、ようやく安どの笑みを見せた。

 必ずしも裕福とは言えない家庭に育った4兄弟の末っ子は、仕事で忙しい両親に代わり小学校高学年まで祖父母に育てられた。中学高校とスケート練習に明け暮れ、大学入学後はめったに連絡してこなかった。だが、手術、リハビリを経て09年4月、リンクでの練習を再開すると、清登さんに電話があった。「しんどい。誰か助けてくれないかな」。その直前の2月、1週間の失跡騒ぎもあった。息子のSOS。それでも清登さんは「どうすることもできない。頑張るしかないね」としか言わなかった。そして、母の教えは、最高の形で結実した。

 「今後は本人が決めると思いますけど、私的には早く(選手生活が)終わってほしいなと思います」。息子を思う母は、祈るような口ぶりで話した。

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2010年2月20日のニュース