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井村中国・ショウ姉妹 終盤乱れて4位

[ 2008年8月21日 06:00 ]

 【北京五輪・シンクロ】井村中国は完敗だった。終盤で2人の同調性が乱れ、前日のFR予選から0・250点落とした。TRに続いて大事なところでミスが出た。井村雅代ヘッドコーチ(58)は「中国の点数を見て、負けたと思った。いい演技だけど、最後だけ(同調性を)外してしまった」と悔しがった。

 中国の熱烈なオファーを受けて、07年1月に中国のヘッドコーチに就任した。情報の流出を危ぐする日本の関係者からは猛反対されたが「日本の評価を高めることになる」と振り切った。同年3月の世界選手権で4位。「筋肉をつけさせるために、食生活を改善した。練習時間を増やしましたよ」と日本流の強化でまたたく間に世界のトップ国に押し上げ、五輪でメダル獲得の準備を整えた。
 デュエットでは今回あえて反日本流のチャレンジをした。ショウ文文、ショウ・テイテイの双子はともに1メートル75の長身で、日本人にはない美しい足を持つ。ロシアや日本のようにスピードやパワーで勝負するのではなく、美しさを徹底してアピールした。しかし、得点に結びつけられず「2人は独特の世界を持つ子だけど、今回はその流れに持っていけなかった」と残念がった。ジャッジの心を動かすまでには至らなかった。
 かつての教え子である日本については「強い。丈夫なのは日本人の良さ」と言葉少なに評価した。それでも「中国はホスト国。期待に応えたい」と打倒・日本をあきらめたわけではない。大会前、徹底して隠してきたチームにも自信を持っている。「挑戦者はTRでコケちゃダメ。パワーに風が吹いているから、パワーで行きますよ」と最初のTRから元気の良さをアピールする演技で日本に挑む考えだ。

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2008年8月21日のニュース