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【1994年3月】ラストソング/吉岡秀隆 役柄からギター練習 作詞作曲 歌まで歌った

[ 2012年3月12日 06:00 ]

 ★94年3月ランキング★
1 ただ泣きたくなるの/中山美穂
2 Don’t Leave Me/B’z
3 Hey Heyおおきに毎度あり/SMAP
4 この愛に泳ぎ疲れても/ZARD
5 愛が生まれた日/藤谷美和子、大内義昭
6 人魚/NOKKO
7 ラストソング/吉岡秀隆ー
8 フッフッフッてするんです/とんねるず
9 OH MY LITTLE GIRL/尾崎豊
10 遥かな人へ/高橋真梨子
注目WARNING/いしだ壱成
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ラストソング/吉岡秀隆】

 映画の役柄、ギターを弾かなければならなくなったが、まさか作詞作曲を手掛けてそれが映画の主題歌になるとは夢にも思っていなかった。
 
 映画「男はつらいよ」では寅さんの甥っ子・満男、フジテレビ「北の国から」では、主役の黒板純を務めた俳優、吉岡秀隆が、映画「ラストソング」に出演。主題歌も歌った。話題となったCDシングルの売り上げは、48万枚をセールス。その後アルバムまでリリースし、スマッシュヒットとなった。

 ロックバンドの栄光と挫折、そして仲間同士の愛と別れを描いた青春ドラマの中で才能あふれるギタリストを演じた吉岡はクランクイン前から、ギターを練習。指南役は歌手、甲斐よしひろのバックバンドメンバーだった。

 役作りのためにギターを練習していることを耳にした、杉田成道監督が「だったら自分で歌を作ってみたら」という話になり、吉岡は事務所の一室にこもると、1時間ほどで形にしてしまった。結局30曲も作り、杉田監督が1曲を選択。これが最後のシーンで使われ、台本もそれに合わせて変更となった。

 映画では超満員の前でステージに立つシーンが一つの見どころだが、それを体感するために吉岡は甲斐が福岡ドームで行ったコンサートにゲストとして出演した。

 それまで度胸試しにと、小さなライブハウスで歌うことはあったが、そんなに客が入る大舞台に立つのは初めて。歌を披露するなんて…と腰が引けたが、「俺たちはプロだから(吉岡が)失敗してもサポートするから」という甲斐の言葉を信じ、甲斐の持ち歌である「嵐の明日」を歌った。

 映画の撮影と違って、やり直しのきかない1回勝負のステージに「ガチガチに緊張した」が、貴重な体験をしたことで撮影はスムーズに。甲斐に言われた「誰か、大事な人が客席にいると思って、その人に聴いてもらうという気持ちで歌うといい」というアドバイスは、何よりの演技指導となった。

 実は吉岡、尾崎豊の大ファン。一緒に食事をしたこともある中で、尾崎を少なからず意識しての映画出演だった。

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