365日 あの頃ヒット曲ランキング 3月

【1987年3月】湾岸太陽族/荻野目洋子 卒業式の翌日にリリース 英語の発音抜群!

[ 2012年3月30日 06:00 ]

★87年3月ランキング★
1 I Love you,SAYONARA/チェッカーズ
2 サファイアの瞳/アルフィー
3 TANGO NORI/中森明菜
4 stripe blue/少年隊
5 水のルージュ/小泉今日子
6 湾岸太陽族/荻野目洋子
7 Oneway Generation/本田美奈子
8 男と女のラブゲーム/日野美歌、葵司朗
9 愛しき日々/堀内孝雄
10 嵐のマッチョマン/とんねるず
注目Give Me Up/BaBe
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【湾岸太陽族/荻野目洋子】

 荻野目洋子の11枚目のシングル「湾岸太陽族」の発売は3月3日。その前日の2日に堀越学園高校を卒業した。

 「仰げば尊し」を歌っているときは涙が出なかったが、卒業証書を授与されると、突然泣き出してしまった。「やっと卒業できました。自分でもよく頑張ったと思います」と“荻野目ちゃん”。出席日数が足りず、3学期は毎日学校へ行った。前作の「六本木純情派」のリリースから「湾岸…」まで4カ月以上も新曲が出なかったのも、学業優先のため。晴れて卒業を果たし、「これからは仕事一筋で頑張ります」と宣言した。

 「湾岸…」はオリコンランキングで最高3位、TBS「ザ・ベストテン」でも5週連続ランクインとなった、数あるヒット曲の中でも代表的な1曲。前年86年のヒット曲「ダンシング・ヒーロー」以来、当時流行のユーロビート調の路線を踏襲していたが、荻野目の場合、そ歌声がぎこちなくないのは、サビの部分での英語混じりの歌詞を難なく歌いこなすためだった。

 「湾岸…」でも“You’re gonna run away seaside みんな同じロンリネス…”という歌詞があるが、これをいい発音で、よどみなく歌っている。スタッフの間でも彼女の英語の評判は良かった。実は荻野目の父は国際労働機関(ILO)で仕事をしていた。父親仕込みの英語かと思いきや「父の英語を自然に聞いていただけ」だという。

 仕事が忙しく、ハードな毎日でも弱音を吐かなかったというアイドル時代。原点は中学の卓球部時代にある。「部活をみっちりやって、精神的にも肉体的にもすごく鍛えられた。非情に厳しい練習で自分との戦いだった。仕事も同じで自分との戦い。達成した時は卓球の試合に勝ったように楽しい。自分を大きくするのが目標だから」。

 荻野目が売れっ子アイドルとして登場したのは、おニャン子クラブ全盛の時期と重なる。多くのアイドルがその陰に隠れて目立たなかったのに対し、彼女は独自路線で十分対抗していた。アイドルの割りにどこか大人びた雰囲気を持っており、それがおニャン子にない魅力だった。

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