365日 あの頃ヒット曲ランキング 3月
【1981年3月】春咲小紅/矢野顕子 シングルは売れたけど…天才歌手 CM曲歌う
★81年3月ランキング★
1 街角トワイライト/シャネルズ
2 ルビーの指環/寺尾聰
3 ヨコハマ・チーク/近藤真彦
4 ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)/横浜銀蝿
5 春咲小紅/矢野顕子
6 チェリー・ブラッサム/松田聖子
7 ペガサスの朝/五十嵐浩晃
8 奥飛騨慕情/竜鉄也
9 スローなブギにしてくれ/南佳孝
10 シャドー・シティ/寺尾聰
注目サンセット・メモリー/杉村尚美
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。
【春咲小紅/矢野顕子】
自分の才能にあふれるほどの自信を持っているアーティストが、まさか化粧品会社のCMソングのオファーを引き受けるとは思わなかった。「自由にやらせてくれるという言うから」というのがその理由だった。
個性派の女性歌手、矢野顕子が歌ったカネボウの春のキャンペーンソング「春咲小紅」は、作詞糸井重里、作曲は矢野自身のコンビで、明るく飛び跳ねるようなリズムが春にマッチし、レコード売り上げ38万枚を記録。アルバム「ジャパニーズガール」などで音楽業界では名は知れていたが、シングル盤のヒットによって、それこそ「子どもからお年寄りまで」矢野の顔と歌が浸透した。
TBS「ザ・ベストテン」にも出演。夫である坂本龍一、ドラムの高橋幸宏の「イエロー・マジック・オーケストラ」のメンバーがバックで演奏するなど、派手な初登場が話題にもなった。YMOは「春咲…」の編曲も担当していた。
1回だけのベストテン出演の効果はすごかった。たどたどしい文章の小学生の女の子からもファンレターが来るようにもなったが、売れっ子の流行歌手になることに微塵も魅力を感じてなかった矢野の反応は鈍かった。
シングルが売れれば、アルバムを聴いてくれる人も増えるだろうと、「春咲小紅」が売れた直後に新作アルバムをリリースしたが、思ったほどの売れ行きではなかった。CMソングを歌って、アルバムの曲も聞いていもらい、矢野顕子というアーティストの存在を認識してもらいたいという狙いが必ずしも思い通りにいかなかった矢野にとって、ヒット曲はどういう存在だったのか。矢野は雑誌のインタビューなどで、しばしばこう答えている。
「ファンをひきつけることも商売としては大切だけど、良質な音楽を作ろうとするとすればマイナス」。
母親の希望で3歳の時からフランス人の先生からクラシックピアノを習い、小学校6年にしてジャズを聴いていたほど、音楽に対しては“ませていた”。青森から上京して、高校は青山学院に入学。雑誌に載った軽音楽部に入るためだった。しかし、思ったほど情熱のある部員がいなかったことやジャズ喫茶などでピアノを弾くバイトが忙しくなり、中退した。
16歳でバンドを結成したが、程なく解散。「自分より才能がない人とやるのは嫌だから」とストレートな物言いが示す通り、フワフワ浮いているような歌の雰囲気とは違って、若い頃は結構辛口な発言が彼女の特徴でもあった。
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