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【1992年3月】BRIDGE/ハウンドドッグ 橋を渡るための一歩を踏み出す意味

[ 2012年3月23日 06:00 ]

 ★92年3月ランキング★
1 悲しみは雪のように/浜田省吾
2 BRIDGE/ハウンドドッグ
3 Urban Dance/氷室京介
4 Promised Love/アルフィー
5 それが大事/大事MANブラザーズバンド
6 ガラガラヘビがやってくる/とんねるず
7 Woman/中西圭三
8 Choo Choo TRAIN/ZOO
9 きっと、また逢える/松田聖子
10 コンサートの夜/森高千里
注目FRIENDS/島田歌穂
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【BRIDGE/ハウンドドッグ】

 はじめの一歩、が大事だと、ハウンドドッグの顔である大友康平は強調した。

 アサヒ「スーパードライ」のCMソングにも起用された「BRIDGE」は、CDシングル68万枚を売り上げ、そのCMでのパワフルな大友の姿は曲と重なって共感を得たが、ハウンドドッグ、そして大友にとって、この曲は新しい歩みを刻んだ記念すべき1枚だった。

 シングルと同タイトルのアルバムを制作するにあたり、大友は初めて外部からプロデューサーを招へいした。メジャーデビューして12年。今さら外からわざわざ呼ばなくても…という意見は、メンバーにもスタッフにもあった。それでも大友は頑として譲らなかった。

 大友は言う。「今までの作品はすべてセルフ・プロデュースだったからね。自分たちでプロデュースしてしまうとどうしても100点満点の点数をつけてしまう、周りのスタッフもつけてしまうんだ。そういう自分たちが作り出してしまう詰の甘さを壊したかった」(プレイボーイ 92年3月10日号)

 85年、「フォルティシモ」のヒット以来、日本のロックシーンをリードしてきたと言っても過言ではない彼らが、敢えて一歩踏み出したのは、現状に満足したくないがため。外部の血が入ることで、新たな橋を渡るという可能性を感じたからだった。

 大友は同じ雑誌の中で「BRIDGE」=橋に込めた思いを熱っぽく語っている。「橋を渡っている最中、渡っている作業、渡るまでの下準備、うん、それらを全部ひっくるめて新しい一歩を踏み出すことが快感なんだよね。俺たちが渡ってきた、そしてこれから渡ろうとしている橋の先に何があろうとあまり意味がないんだ。(略)大事なのは怖がらず、頭でっかちにならず、背負っているものだけを守ろうとせずに、やっぱり、俺たちは踏み出したという事実だけなんだ」

 頭では分かっていても、はじめの一歩を踏み出せない人は多い。あれから20年。「BRIDGE」を聴くと、曲に込めたスピリッツが背中を押してくれるメッセージとして息づいている。

 

 
 

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