【前回の鎌倉殿の13人】第27話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「2代鎌倉殿・頼家と増し増し13人衆」

[ 2022年7月23日 13:50 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第27話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「2代鎌倉殿・頼家と増し増し13人衆」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は24日、第28話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに新章第2章の幕が上がった前回の第27話(7月17日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第27話は「鎌倉殿と十三人」。土御門通親(関智一)から源頼朝(大泉洋)の死を知らされ、後鳥羽上皇(尾上松也)は思案。宿老たちが居並ぶ中、新たに鎌倉殿となった源頼家(金子大地)は自身の方針を表明した。これに北条時政(坂東彌十郎)と比企能員(佐藤二朗)が共に困惑し、梶原景時(中村獅童)は賛辞。その様子を政子(小池栄子)に報告した北条義時(小栗)は、弟・北条時連(のちの時房、瀬戸康史)と愛息・頼時(のちの泰時、坂口健太郎)を頼家の元へ送り出し…という展開。

 頼家は「私は比企や北条を特別扱いするつもりはない。私は家の名で人を選ぶことをよしとはせぬ。誰であれ、力のある者を登用していくつもりだ。それが、この頼家の政(まつりごと)である」と宣言した。

 しかし、通親暗殺計画が発覚して捕まった一条高能(木戸邑弥)や文覚(市川猿之助)の処遇、山積みの訴状、和田義盛(横田栄司)と景時の侍所別当争い、正室・つつじ(北香那)と一幡を産んだ側室・せつ(山谷花純)のマウント合戦…。2代目の重圧か、頼家は次々に起こる諸問題に辟易した様子。義時は頼家を支えるべく、大江広元(栗原英雄)三善康信(小林隆)中原親能(川島潤哉)二階堂行政(野仲イサオ)の文官4人と景時による“5人衆”を提案した。

 しかし、時政と能員のパワーゲームにより人数が膨れ上がり、あれよあれよと“12人衆”に。最後は政子が指名した義時が加わり、ついに“13人衆”が誕生した。

 頼家は義時の報告に「わしはそんなに頼りないか。わしなりに精いっぱいやっているつもりだが、それが気にいらんか」。義時の説得に「13人とは、増えたものだな。もうよい、分かった」と受け入れたものの、涙。宿老たちとの信頼関係は早々と崩れたようだった。

 御所・寝殿。義時は高らかに12人の名を呼び「並びに江間義時。以上、13名でございます」。“13人衆”が一堂に会した。景時は「これより訴訟取り次ぎはこの13人によって執り行います」と報告。しかし、頼家は「平三、聞いていた話とは違うな。むしろ誰か1人に力が集まらないので、好都合だ。のう、小四郎。しかし、私は騙されない。丸め込んだつもりでいたかもしれんが、小四郎、端からわしはおまえたちを信じてはおらぬ。父上は最後まで御家人に心を許してはおられなかった。わしも同じだ。平三、残念だ」――。頼家は時連や頼時ら6人の若武者を招き入れた。

 頼家は「わしが選んだ。手足となって働いてくれる者たちだ。信じられるのは、こやつらだけよ。これより、わしの政はわしとこの者たちで行う。もちろん、おまえたちと切磋琢磨してのことだ。新しい鎌倉を、皆で築いて参ろうではないか」とニヤリ。頼家の“逆襲”に、義時は険しい顔。景時は「頼朝様は、いささか亡くなるのが早すぎましたな」――。“13人衆”は爆誕即、崩壊のピンチ。大波乱の不穏な船出となった。

 今回の“大河絵”は“増し増し”に膨れ上がった壮観な“13人衆”揃い踏みと頼家との“距離”を表現した。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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