「呪術廻戦」のTOHO 新進気鋭アーティストと「古墳」を描くアニメMV制作へ

[ 2022年1月27日 12:00 ]

五色塚古墳(C)Kobe City
Photo By 提供写真

 東宝株式会社の自社アニメレーベルのTOHO animationは27日、神戸市とタッグを組んで新たなアニメミュージックビデオのプロジェクトを始動させることを発表した。

 TOHO animationは「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ゴジラS.P<シンギュラポイント>」「Dr.STONE」「ハイキュー!!」「BEASTARS」など数々の話題作を生み出し、10周年を迎える現在も常に挑戦を続けながら“新たな物語”を世に届けようとしている。そんな中で挑む新たなプロジェクトは“地方から生まれる物語”だ。

 コロナ禍の今、改めて見直されているのは、遠くのどこかに想いを馳せること以上に、いま目の前にある地元を見つめ直し、そこに新たな価値観を見出すだすことかもしれない。そんな想いから、今回のプロジェクトはスタート。神戸は港町、異人館、ファッションなど、お洒落で異国情緒溢れるイメージがあるが、今回の物語で描かれる場所はまさかの「古墳」。神戸市垂水区にある「五色塚古墳」という巨大遺跡だ。

 今回の物語は、アニメーションと楽曲を掛け合わせたミュージックビデオという形で発信される。短い尺の中で物語と楽曲の相乗効果で強い共感を生むこの作品ジャンルはSNS全盛の今の時代にマッチし、数多くの話題作が次々と誕生している。

 そこで白羽の矢が立ったのは、TOHO animationが注目する新進気鋭のアーティストたち。まずアニメーションの原案、コンセプトデザインを担当するのは「しの」。そして楽曲を担当するのは「HOWL BE QUIET」。神奈川県出身の4人組のピアノ・ロック・バンドで、ボーカル竹縄航太のさわやかな歌声とクオリティの高い楽曲で若者の間で人気を博している彼らが、今回のプロジェクトにあわせた新曲「Wonderism(ワンダリズム)」を書き下ろした。そして、どこかダークな世界観の「しの」とポップなラブソングのイメージが強い「HOWL BE QUIET」という、一見すると相反する世界観のアーティストを束ね、1つの物語に昇華させるのがプロデューサーの武井克弘氏。新たな才能の掛け合わせによる化学反応で、神戸のパブリックイメージを覆す、全く新しい奇想天外な物語が生まれることは必至。作品は3月のWEB公開に向けて絶賛制作中となっている。

 HOWL BE QUIETは「古墳が神戸市と結び付きがあったと知らなかったので、とても驚きました。アニメMVのストーリーを聞き、古墳が古くから伝わる誰かから誰かへのメッセージである、と考えた時に、今の自分の想いとすごくリンクしているな、と。コロナ禍の中でライブが無くなったりと、リスナーとの繋がりを断たれてしまったように感じた時期でもあったので、それでも届けたい、繋がりたい、というありのままの想いを、そのまま曲に乗せようと思いながら作っていきました」とコメント。プロデューサーの武井克弘氏は「キーワードは『未知との遭遇』。日本のアニメで見られなくなって久しい、胸躍る王道冒険ムービーを目指します」と抱負を口にしている。

 ○…五色塚古墳とは…千壺古墳とも呼ばれ、4世紀後半に築かれた兵庫県で最大の前方後円墳。築造当時の姿に復元され、雄大かつ高度な古代の土木技術を体感できる。成り立ちには謎が多く、海に面し、周囲が一般住宅に囲まれている、という立地は全国的にも極めて珍しい。

住所…神戸市垂水区五色山4
アクセス…JR・山陽電鉄垂水駅より徒歩15分、山陽電鉄霞ヶ丘駅より徒歩10分

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2022年1月27日のニュース