木村拓哉 “田村正和イズム”受け継ぐ 共演者のセリフまで完璧「自分もああなりたい」

[ 2021年5月20日 05:30 ]

木村拓哉
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 心不全のため4月3日に死去した俳優の田村正和さん(享年77)の訃報から一夜明けた19日、芸能界にも悲しみが広がった。96年のTBS「協奏曲」などで共演し、台本を現場に持ち込まないなど“田村イズム”を継承する俳優の木村拓哉(48)は「あったかい思い出しかありません」と追悼した。

 「ユーモアがあって、あったかい思い出しかありません。ご自身に厳しくされていた分、ゆっくり休んでください」。木村は敬愛する田村さんに心から手向けの言葉を送った。

 2人は96年の「古畑任三郎」シーズン2で初共演。犯人役で出演した木村の頬を田村さんが平手打ちする衝撃的な場面が話題となった。古畑がシリーズを通して唯一犯人に手を上げたシーンで、後に木村は自身のラジオで「名誉に思っている」と振り返っている。「SMAP×SMAP」で、田村さんをリスペクトして古畑をまねた「古畑拓三郎」も人気を集めた。

 自身のセリフだけでなく、共演者のセリフまで完璧に覚えて現場には台本を持ち込まない田村さんの“主義”に触発され、その姿勢を踏襲している。田村さんは、ほとんどNGがなかったことでも有名だった。

 14年、フジテレビの主演ドラマ「HERO」の収録現場でも木村は田村さんのことに触れ「スタッフから合図があったら、パンと立ち上がって台本10ページ以上にわたるシーンを完璧に演じ切る。目の当たりにした時は“かっけえな。自分もああなりたいな”と思った」と話していた。それほど憧れの存在だった。

 「古畑任三郎」で部下の今泉刑事を演じた西村まさ彦(60)は「ご一緒させていただいたことは、私にとって飛躍の大きなきっかけとなりました。作品、役に向き合う真摯(しんし)でストイックな姿勢。多くのことを学ばせていただきました」と感謝。シーズン3から登場した西園寺刑事役の石井正則(48)も「田村さんと過ごした時間は、自分の礎です。古畑さんの部下として、これからもしっかり動けるよう努めてまいります」と決意を語っている。

 01年のフジテレビ「さよなら、小津先生」が初のドラマ出演で、田村さんの生徒役を務めた永山瑛太(38)は「君はとにかく俳優を続けなさい」と言われたことを明かし「正和さんのお言葉、胸に刻み、俳優人生、続けていきます」。さまざまな後輩に影響を与えた“田村イズム”。これからも受け継がれていく。

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