田村正和さんの喜劇の才能見いだしオファー TBSプロデューサー「真剣に演じれば演じるほど面白い」

[ 2021年5月20日 05:30 ]

1987年のTBSドラマ「パパはニュースキャスター」で、コミカルな役柄を演じた田村正和さん(C)TBS
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 1984年放送のTBSドラマ「うちの子にかぎって…」で主演に抜てきし、二枚目役が多かった田村正和さんのイメージを喜劇俳優へと広げた同局の八木康夫プロデューサー(70)は「日本一の役者でした」と悼んだ。

 田村さんとは年に1回、食事会をしていた。昨秋、田村さんが主演ドラマ「男たちによろしく」(87年)を「改めて見てみたい」と希望したため、DVDを送ったところ、お礼の電話があったのが最後となった。

 田村さんが奔放な生徒に振り回される小学校教師を演じ、コメディー路線に踏み出すきっかけとなった「うちの子に…」になぜ抜てきしたのか。八木さんによると、放送直前に田村さんと初タッグを組んだ84年のドラマ「くれない族の反乱」の演技で決めたという。

 最終回で田村さんが息子と別れるシーンがあり「子供と接する演技が素晴らしくて涙が出てきた。小学生と接する先生ならば、はまり役になるのではないかとオファーしました」と明かした。

 事務所からは断られたが、本人に直談判するとその場で快諾。田村さんは「オファーを断ったら二度とこういう役は来ないと思った」と理由を説明していたという。これを機に本格コメディー「パパはニュースキャスター」(87年)の主演でも起用。2人は計34作品でタッグを組んだ。撮影中の田村さんは「往復の時間がもったいない」と控室に戻ることなく、常に現場にいた。「真剣に演じれば演じるほど面白いのが田村さんの喜劇の才能。喜劇でも時代劇でもラブストーリーでも、何でも演じ分けることができた」としのんだ。

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