「青天を衝け」大河8年ぶり大台発進!近現代苦戦予想覆す 吉沢亮らに女性支持 「ニュース7」拡大影響?

[ 2021年2月15日 16:30 ]

NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」で主演する吉沢亮
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 俳優の吉沢亮(27)が主演を務めるNHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜後8・00)が14日に15分拡大でスタートし、初回の平均世帯視聴率は20・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。大河ドラマの初回大台20%発進は、2013年「八重の桜」(21・4%)以来8年ぶりの快挙となった。NHK関係者からも「予想以上」と驚きの声が上がった高視聴率の要因を探った。

 大河ドラマ60作目。大ヒットした15年後期のNHK連続テレビ小説「あさが来た」などを手掛けた大森美香氏(48)が大河脚本に初挑戦するオリジナル作品。主人公は24年度上期に20年ぶりに刷新される新一万円札の顔としても注目され、「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家・渋沢栄一(1840―1931)。約500の企業の育成に関わり、約600もの社会公共事業に貢献。晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれた。幕末から明治へ。時代の大渦に翻弄され、挫折を繰り返しながらも、栄一が青天を衝(つ)くかのように高い志を持って未来を切り開く姿を描く。吉沢は大河初出演にして初主演。タイトルは若き栄一が藍玉を売るため信州に旅した時、険しい内山峡で詠んだ漢詩の一節から採った。

 19年「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に続き、近現代が題材。「いだてん」はインターネット上の評価は高かったものの、全47話の期間平均8・2%は大河ドラマ史上初の1桁。リアルタイムの世帯視聴率には結び付かなかった。

 近現代大河は当たらないと言われ、「青天を衝け」についても苦戦を予想する声もあったが、大台発進に加え、ライバル2強の日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」(日曜後7・58)の14・2%、テレビ朝日「ポツンと一軒家」(日曜後7・58)の14・2%を上回り、同時間帯横並びトップ。苦戦予想を覆した。

 18・4%をマークした前作「麒麟がくる」最終回(2月7日)と「青天を衝け」初回の世代別の視聴率を比べると、

 F1層(女性20~34歳): 4%台→ 4%台
 F2層(女性35~49歳): 6%台→ 8%台
 F3層(女性50~64歳):13%台→15%台
 F4層(女性65歳以上):20%台→25%台

 M1層(男性20~34歳): 3%台→ 4%台
 M2層(男性35~49歳): 5%台→ 4%台
 M3層(男性50~64歳):12%台→12%台
 M4層(男性65歳以上):23%台→22%台

 「青天を衝け」は女性の支持を獲得。“国宝級イケメン”から19年前期の連続テレビ小説「なつぞら」で“天陽くん”を好演し、大ブレイクした主演・吉沢や、17年ぶりの大河出演となる徳川慶喜役・草なぎ剛(46)らへの注目の高さがうかがえる。

 また14日は、通常は大河ドラマの前に放送される「ダーウィンが来た!」(日曜後7・30~8・00)に代わり、地震報道のため「NHKニュース7」(後7・00~7・30)枠を30分拡大。30分拡大部分(後7・30~8・00)の視聴率は16・6%で、普段12~13%の「ダーウィンが来た!」より高かった。前番組に通常よりも多く視聴者が集まり、そのまま「青天を衝け」に入ったことも数字を押し上げたとみられる。

 前作「麒麟がくる」の最終回は18・4%。大河ドラマ最終回の18%超えは、11年「江~姫たちの戦国~」(19・1%)以来9年ぶりの快挙となった。通常ならば年末年始を挟み、インターバルがあるが、戦国最大のミステリー「本能寺の変」を描いた「麒麟がくる」最終回の熱量を、「青天を衝け」が引き継いだ。

 初回放送開始後、午後8時9分には「#青天を衝け」がツイッターの国内トレンド1位、午後8時25分には世界トレンド1位。Yahoo!リアルタイム検索のトレンド上位20位には「徳川家康です」「徳川斉昭」「高島秋帆」「玉木宏」「小林優仁(主人公の子役)」が入るなど、SNS上の反響も上々。今後の動向が注目される。

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2021年2月15日のニュース