AKB48の総監督・向井地美音 ヘビロテな仕事もキュートな笑顔で好感

[ 2020年5月8日 12:40 ]

AKB48の「ヘビーローテーション」の振り付けを指導する向井地美音(C)AKB48
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 【牧 元一の孤人焦点】AKB48の総監督・向井地美音の最近の仕事ぶりを見ていると、感慨深い。アイドルとして、人間として、ずいぶん成長したものだと思う。

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、グループは劇場公演や握手会を自粛中。メンバーがそれぞれの自宅からエンターテインメントを発信する「OUC48プロジェクト」など、ネットを使う活動だけになっている。

 限られた活動で総監督の責務を果たしているのが向井地だ。メンバーが握手会の楽しさを再現する動画企画「おうちで握手会」、メンバーが楽曲の振り付けを指導する動画企画「振りコピ Sounds good!OUC48 サビ振付講座」で自ら先陣を切った。

 グループをけん引するのが総監督の役目とは言え、グループ内にはシングル曲のセンターや他の人気メンバーもいる。誰かにトップバッターを任せることも可能だが、関係者は「向井地の意気込みの表れだと思う。総監督としての責任感の強さを感じる」と話す。

 振り付け講座で講師を務めた曲は「ヘビーローテーション」。最近の仕事ぶりは、まさにヘビロテ(短い期間に何度も繰り返すこと)だが、持ち前の明朗さとキュートな笑顔で、見る人に「可愛すぎ」「天使」などと好感を与えている。

 向井地が初めてメディアにクローズアップされたのは2014年のライブイベント。大島優子の指名を受けて「ヘビーローテーション」のセンターを務めることになり、大島が着用していた衣装を身につけてファンの前で歌い踊った。

 それからは大島の後継者的メンバーとして注目されるようになったが、当時、本人に話を聞くと「私は自信がないんです」と困惑気味。目標については「『向井地美音と言えば◯△×』みたいな何かを見つけたい。自分の個性を見つけたい」と話していた。当時はまだ先行き不透明な存在だったわけだが、それが今や、向井地美音と言えば総監督だ。

 総監督はグループ全体に目を配る立場のため、グループの顔のセンターから遠のく傾向がある。昨春、インタビューした時、本人に率直に「総監督になるということは、もうセンターを目指さない?」と聞いてみた。

 その答えは「目指します!総監督の仕事を全うしつつ、自分も上を目指す姿勢はこのグループにいる上で絶対に必要なもの。センターを目指すことで、後輩たちに背中を見てもらえる存在になりたい」。最近のヘビロテな仕事ぶりも、そうした思いの表れなのかもしれない。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在はNHKなど放送局を担当。

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