“富川アナ感染ショック”…各局報道番組“厳戒”生放送継続へ防止策強化

[ 2020年4月13日 05:30 ]

テレビ朝日・富川悠太アナウンサー(テレビ朝日HPから)

 テレビ朝日の富川悠太アナウンサー(43)が新型コロナウイルスに感染したことを受け、テレビ各局の報道番組の制作現場に危機感が広がっている。報道機関として続けなければならない生放送のニュース番組。感染防止策に頭を悩ませている。

 メインキャスターである富川アナの感染ショックで、生放送を続けている報道番組はより対策を強化する必要に迫られている。

 現在取り入れられているのは、1日あたりのスタッフを削減し、出演者やスタッフが接触する機会を減らすこと。民放キー局の報道番組担当者は富川アナの感染以前から取っている対応策として「完全に曜日分けをし、2班制でスタッフ同士が接触しないルールで番組制作を進めている」と明かした。

 2時間枠の報道番組なら100人ほどのスタッフが必要だが、減らして対応。報道記者に対しても、感染拡大が疑われるホットスポットには近づかないように注意喚起している。しかし、専門的なスタッフには代わりがいない。局関係者は「カメラマンや編集スタッフは人数も限られているのでローテーションが難しい」と話しており、悩ましい問題も生じている。

 帯番組は通常、曜日ごとにスタッフのチームをつくって放送しているケースが多い。別のキー局関係者は「感染が拡大したので、今後は曜日のチームをさらに2つに分けて、隔週ごとに担当する方向だ」と明らかにした。

 東日本大震災の際は、バラエティー番組の制作スタッフが急きょ報道番組に応援で入った。バラエティー番組の担当者は「番組作りの基本的なノウハウはあるので対応ができた。今回もリスクの分散を第一に考えると、手の空いたスタッフが報道を助けられればいいと思う」と話した。

 テレビ東京は「キャスターを交代制にするなど、感染防止対策をしっかりと行いながら番組制作を行っております」とコメント。平日夜の経済番組「WBS」はメインキャスターが2人いるが、感染防止に向けて局関係者は「さらにキャスターを増やし、3交代制になる可能性もある」と話している。

 局によっては、帯番組の担当アナウンサーが感染した際の対応をシミュレートするなど、放送継続を見据えた対策も講じている。

続きを表示

この記事のフォト

2020年4月13日のニュース