松方弘樹さん死す 昭和のスターまた1人…74歳「脳リンパ腫」で

[ 2017年1月24日 05:30 ]

「北陸代理戦争」での松方弘樹(C)東映
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 俳優の松方弘樹(まつかた・ひろき、本名目黒浩樹=めぐろ・こうじゅ)さんが21日午前11時26分、脳リンパ腫のため都内の病院で死去した。74歳。東京都出身。葬儀は故人の遺志で近親者のみで行った。昨年2月に体調不良を訴えて入院。抗がん剤の投薬治療を受けてきたが、奇跡は起きなかった。東映時代劇ややくざ映画を中心に活躍し、私生活も豪快なスター俳優だった。

 昭和の銀幕を彩ったスター俳優がまた一人逝った。趣味の釣りで300キロ以上の巨大マグロを釣り上げるなど豪快なイメージで知られた松方さんも、ついに病魔には勝てなかった。

 所属していた「夢グループ」が松方さんに脳腫瘍の可能性があることを報道各社に明かしたのは昨年2月23日。長期療養が必要となるため、出演予定だった同3月1日から6月8日までの「夢コンサート」を降板し、6月からの舞台「遠山の金さんと女ねずみ」を中止すると発表。その後、病名を「脳リンパ腫」と公表していた。

 腫瘍が脳内にあるため手術が困難で、抗がん剤投与を受けていたが、治療中の昨年秋に脳梗塞を起こし、その後も2度再発。今年に入って一進一退の状況を続けた。そして21日、二十年来のパートナーの元女優(43)や事務所関係者数人が見守る中で息を引き取った。

 悲報を受けて、弟で俳優の目黒祐樹(69)が午後8時すぎに都内の自宅で対応。「駆けつけましたが、臨終には立ち会えませんでした。亡くなって2時間半くらいたっていましたがまだかすかにぬくもりが残っていた」と声を震わせた。この日、都内の斎場で密葬が営まれ、遺体はだびに付された。その場には梅宮辰夫(78)も駆けつけた。松方さんは病床で会いたがっていたそうで、「感謝しています」と目黒は兄の盟友に謝辞を述べた。

 時代劇スター近衛十四郎さんと女優の水川八重子さんの間に長男として誕生。明大中野高3年の1960年に東映入りし、同年「十七才の逆襲・暴力をぶっ潰せ」で主演デビュー。その後、任?映画「昭和残侠伝」シリーズや実録路線「仁義なき戦い」シリーズ、「柳生一族の陰謀」をはじめとする大型時代劇、さらには「遠山の金さん」などのテレビ時代劇でも活躍した。一方で日本テレビ系「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の笑い上戸キャラでも人気を呼び、バラエティー番組でも異彩を放った。

 私生活も派手でマスコミをにぎわせた。68年に元モデルの女性と結婚して3人の子供をもうけたが、74年のNHK大河ドラマ「勝海舟」で共演した女優の仁科亜季子(63)と恋仲になり、すったもんだの末に元モデルと離婚して仁科と再婚。タレントの仁科克基(34)と仁科仁美(32)が生まれた。愛人関係にあった元歌手の千葉マリア(67)との間にも認知した男の子供がおり、計6人の子供がいる。仁科とは98年12月に離婚。その後は元女優の女性と事実婚状態にあった。関係者が「お別れの会」の開催に向けて協議している。

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