松方弘樹さん 任侠、時代劇、バラエティー…時代時代で多彩な顔

[ 2017年1月24日 05:30 ]

松方弘樹さん急逝

1976年3月、日本テレビ「あがり一丁」ですし屋で特訓する松方弘樹
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 高倉健さん、鶴田浩二さんらが主演し、1960年代の「日本?客伝」シリーズの後に大ヒットしたのがやくざ抗争の実話をベースにした東映の実録路線。第1弾として73年に公開された「仁義なき戦い」で、松方さんは菅原文太さんらとともにスターとなっていった。深作欣二監督の指導の下、生々しさを出すため体を張った。2カ月近くほとんど徹夜で目を赤くして撮影に臨んだり、男の年輪とも言える顔のシワにもこだわり、冷水とお湯の入った洗面器に交互に顔をつけたりもしたという。

 74年には渡哲也の代役でNHK大河ドラマ「勝海舟」に主演。77年の映画「北陸代理戦争」で実録路線が下火になると本格的にテレビ界に進出した。「名奉行 遠山の金さん」など当たり役も多い。そのアウトロー路線ではない、魅力でお茶の間の人気を得た。

 一番の転機は85年にスタートした日本テレビ「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」。映画の渋い役柄とは違い、素顔はすぐに笑ってしまう三枚目のキャラクター。それが受けてバラエティー番組でも引っ張りだこになっていった。

 ▼映画評論家・白井佳夫氏 時代劇のスターだった父と、時代劇にも現代劇にも出演した母の血を引いて、時代劇も、任?映画も演じることができるユニークな俳優だった。育ちの良さから表れる甘さと、戦後社会に生きる若者の荒々しい野性味を併せ持つ演技が特徴的だった。

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