吉本興業 エンタメ界初の多言語字幕付き公演開催 初回は桂文枝

[ 2016年5月2日 11:17 ]

「多言語会場字幕付き公演発表会見」に登場した(左から)チャド・マーレン、吉本新喜劇の鮫島幸恵、レイチェル、伊賀健二、落語家の桂三四郎、司会のタケト

 よしもとクリエイティブ・エージェンシーが2日、都内で記者会見を行い、NHKグローバルメディアサービスのLIVE TEXTチームと共同で、6月にエンタテインメント界初となる多言語会場字幕付き公演を行うことを発表した。

 第1弾となるのは、落語家の桂文枝(72)らが出演する「桂文枝(字幕)落語会」(6月5日、神保町花月)、吉本新喜劇の「THE舶来寄席2016東京公演」(6月9~12日、東京グローブ座)で、公演では英語字幕、日本語字幕を表示する。NHKグローバルメディアサービスでは、LIVE TEXT(生字幕サービス)を10年前から行っており、会場字幕も1年前から運用。その技術を使い、今後は中国語、韓国語など、英語以外にも字幕公演を行っていく予定だという。

 会見には、吉本新喜劇、文枝の弟子で落語家の桂三四郎(34)らが出席し、公演のデモンストレーションを行った。新喜劇公演で英語翻訳を担当するお笑いタレントのチャド・マレーン(36)はこれまでに松本人志や板尾創路の監督作品、三池崇史監督の「ヤッターマン」などの映画翻訳などを担当。お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)の第153回芥川賞受賞作「火花」のドラマの翻訳も手掛ける。チャドは「日本のお笑い文化を海外に伝えたい。日本人にしか伝わらないところも任せてください」と力を込め、「ゆくゆくは3Dメガネで好きな言語に選んだりできたらいい」と夢を膨らませた。

 初回公演を担当する文枝からも「笑いは微妙なニュアンスがあるので、言語の違いやハンディキャップの有無、年齢の差を超えて行くのはとてもむずかしいと言われております。でも、それを乗り越えて、笑いを共有できればどれほど素晴らしいでしょう。笑えば諍(いさか)いもなくなるわけですから、今回の取り組みに全身全霊をかけて挑むつもりです。笑いこそが世界を救うと信じて」とコメントが寄せられた。

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