批判も費用も覚悟の上で「選手の体を守るために」 高野連は伝統に敬意を払いながら時代に応じて改革

[ 2024年4月20日 05:30 ]

23年、ナイターで行われた夏の甲子園、仙台育英対浦和学院

 【記者の目】高野連は批判を覚悟した上で、高校球児の健康を守るための改革を進めてきた。今夏の2部制導入の議論が最終段階へ進んでいた時期に、同連盟関係者から「2部制には賛否があるでしょう。費用の問題もある。それでも何かを変えなければいけない」と強い決意を聞いた。

 今回の記者対応でも朝日新聞の志方高校野球総合センター長が「本来の野球のルールから外れる継続試合の可能性があることは、納得できるものではないかもしれない。それでも選手の体を守るために理解をしていただいた」と言及した。大会側は、重い責任から目を背けずに課題と向き合ってきた。

 今年度から完全移行された低反発バットについても反対意見はあった。本塁打の量産が期待できる状況を維持すれば、入場料収入も増えたかもしれない。それでも打球速度の上昇によって投手の安全が脅かされている現状を問題視し、関係各所に新基準バットへの理解を求めた。

 高野連には一貫して、高校野球が継承してきた伝統への敬意とともに、時代に応じた変化をいとわない強い信念がある。 (アマ野球担当・河合 洋介)

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