ソフトB・有原が開幕投手!3・29オリックス戦 小久保監督、手紙で思い託した

[ 2024年2月23日 05:25 ]

<ソフトバンク宮崎キャンプ>キャッチボールする有原(撮影・岡田 丈靖)
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 手紙で開幕への思いを託した――。ソフトバンクの有原航平投手(31)が3月29日のオリックス戦(京セラドーム)で開幕投手を務めることが22日、発表された。小久保裕紀監督(52)が明かした。ホーム開幕戦となる4月2日のロッテ戦の和田毅投手(43)とともに21日に通達。有原に対し、指揮官は毛筆で手紙を書き、現役時代から座右の銘としてきた「前後裁断」の四字熟語を添え、必勝を促した。

 有原は1軍初采配に臨む小久保監督から、発する言葉だけではなく文字でも思いと熱を伝えられていた。21日の帰宿後、右腕は監督の部屋に呼ばれた。

 「“開幕お願いします”と声をかけてもらったので“ぜひ、お願いします。頑張ります”と言いました。凄くうれしかった。身の引き締まる思いです」

 その際、便箋2枚に記された手紙を受け取った。休養日だった19日に毛筆でしたためた指揮官は「内容は秘密です」とはぐらかしたが、有原は中身の一部を明かした。「託した!任せた!というのが一番、心の中に響きました。意気に感じた。“前後裁断”という言葉が書いてあった」。手紙は大事に自屋に保管してあるという。

 「前後裁断」とは過去も未来も切り捨てて今という時期を全力で真剣に生き、積み重ねるとの意味の仏教用語。現役時代に指揮官が帽子のひさしに記した言葉だった。「僕の(座右の銘の)“一瞬に生きる”をギュッと熟語にした言葉」と説明した。有原も同感だった。「僕もできることを集中してしっかりやる思いでやってきた。チームを代表して最初に投げさせてもらう。1球目から全力でいけるように気持ちを入れて頑張りたい」とより一層、力を込めた。

 開幕投手は日本ハム時代の17、20年に経験があるが、ともに黒星。ただ、指揮官の信頼は全く揺るがない。有原は昨季6月の交流戦で1軍に昇格し、チーム最多10勝。調整途上だった昨春の苦闘を間近で見ていたのが、当時2軍を指揮していた小久保監督だった。

 「去年の春と明らかに球が違った。(ブルペンの)最初の投球から感じていました。状態、成績、一番ふさわしい」。昨季は山本(ドジャース)に3度投げ勝つなど、対オリックスは1完封含む3勝、防御率2・25だったが「チームの先頭に立っていく人は相手とか関係ない」と、指揮官は相性は考慮には入れなかったと語った。

 有原は25日の練習試合(韓国斗山)で今季初実戦に臨む予定。「今年の方がいいボールを投げられている。開幕から気迫のこもった投球ができるように頑張りたい」。残りは約1カ月。着実に、準備を本格化させる。(井上 満夫)

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