広島ドラ3・滝田 「憧れの人」に見つめられ、自己採点「激辛」30点の初ブルペン「緊張しました」

[ 2024年2月2日 05:45 ]

ブルペンで投げ込む広島・滝田(撮影・平嶋 理子)
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 広島の日南1次キャンプでは、1軍スタートのドラフト3位左腕・滝田一希投手(22=星槎道都大)がブルペン入りした。通算148勝138セーブを誇る憧れの球団OB・大野豊氏(68=本紙評論家)が見守る中、カーブを除く全球種を披露してアピール。緊張のブルペンを「30点ぐらい」と初々しく振り返った。

 ド緊張のキャンプ初ブルペンだった。最速153キロ左腕の滝田は2段モーションで始動するダイナミックな投球フォームから直球、スライダー、スプリット、チェンジアップなど47球を投げた。初日からアクセル全開のはずが…。憧れの人の視線を感じてか、時折、制球が乱れた。

 「緊張しました。球も全然ですね。めちゃくちゃ力みました」

 キャンプ前日は、「楽しみで3、4時間ぐらいしか眠れなかった」という。大野豊氏がブルペンに姿を見せると、緊張は最高潮に達した。広島一筋で22年プレーし、88、97年は最優秀防御率、91年は最優秀救援投手と、先発でも抑えでもタイトルを獲得した球団のレジェンドを前に、懸命に腕を振ったが、「30点ぐらいです。次は(見ていても)きちんと投げられるようにしたい」と唇をかんだ。

 かねて左腕の先輩に憧れを抱いており、「大野さんのようなカーブを投げられればもっと投球が幅広くなる」と、カーブの精度向上を重要課題に掲げる。さらなる成長を期し、開幕1軍を目指す22歳に投球練習後、うれしい出来事があった。

 「大野さんが来てくださって、時間がある時にいろいろ話をしたい、と言われた。あと分からないことがあったら、電話してくれ、と言われました」

 広島・呉で星槎道都大がキャンプを行った昨春に大野氏から指導を受けた経験がある。この日は、連絡先を伝えられて継続的なサポートを約束され、「みんなが言ってくれるとは限らないので、大事にしたい」と感激しきりだった。

 キャンプ初日は、ドラフト2位・高(大商大)、同5位・赤塚(中京学院大)もそろってブルペン入り。他球団のスコアラーやファンが見つめる中での練習に、新井監督も「何もかもが初めてだから緊張したと思う」と理解を示し、続けて「緊張していると無意識に力が入る。リラックスするときは、リラックスしてやってもらいたい」と助言を送った。

 「まずは環境に慣れること。野球選手として、技術も、私生活も、より一層引き締めて、成長していきたい」と滝田。憧れの左腕の背中を追いかけ、プロの一歩を踏み出した。 (長谷川 凡記)

 ◇滝田 一希(たきた・かずき)2001年(平13)12月28日生まれ、北海道黒松内町出身の22歳。黒松内小3年で野球を始め、黒松内中では軟式野球部。寿都(すっつ)では連合チームも経験し、エースの3年夏は南北海道大会小樽地区1回戦敗退で甲子園出場経験なし。星槎道都大では1年秋からリーグ戦登板。23年ドラフト3位で広島入り。1メートル83、83キロ。左投げ左打ち。

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