スピットボールの達人、314勝投手のゲイロード・ペリーさん死去

[ 2022年12月2日 09:04 ]

 スピットボール(ボールに唾液を付けて投げる不正投球)を極めた人物、ゲイロード・ペリー投手が84歳で亡くなった。1日(日本時間2日)AP通信が報じた。

 メジャーで22シーン投げ、通算314勝、殿堂入りも果たしている。自伝「私とスピッター」で、メジャーデビューした62年にチームメートから不正投球を学んだことを明かしている。「私は11人いる投手陣で11番目の投手だったから、何か強味になるものが必要だった」と説明している。初めて試合で使ったのは1964年5月のメッツ戦。10回無失点の好投で、唾液がたくさん出るようにニレの樹皮を噛んでいたそうだ。1968年MLBはボールを触る前に、口に指をつけることを禁止している。ペリーはボールに細工するのに、ワセリン、ポマードなどいろんな物質を試した。紙やすりも使った。と同時に、投球モーションや投げる前のしぐさを工夫して、ユニフォームや体のいろんな場所に異物を付けていて、それに触って投げていると、打者が疑うようにもした。心理戦にも長けていた。22年間、777試合に登板。しかし誰も不正投球の証拠をつかめなかったため、ボールへの細工で退場を命じられたのは1度だけ、82年のマリナーズ時代だった。さらに83年の現役最後のシーズン、ロイヤルズで、クラブハウスにあったチームメート、ジョージ・ブレットの松脂のついたバットを隠そうとして、警備員に見つかり、その時も退場を命じられている。

 全部で8球団に在籍、72年のインディアンズ、78年のパドレスの時にサイヤング賞獲得。両リーグでサイヤング賞に輝いた初めての投手としても歴史に名を残している。

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2022年12月2日のニュース