西武・水上 将来は故郷・長野県宮田村の村長になる!? 3000万円増の4000万円でサイン

[ 2022年12月2日 04:50 ]

大幅アップで契約更改した水上は、来季の目情に「ビールかけ」を掲げ笑顔を見せる撮影・尾崎 有希)
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 今季パ・リーグ新人王に輝いた西武・水上由伸投手(24)が1日、埼玉県所沢市の球団事務所で契約更改交渉し、3000万円増の年俸4000万円でサインした。300%アップは、球団では99年オフの松坂大輔の438%以来のアップ率。「新語・流行語大賞」の年間大賞に選出されたヤクルト・村上の「村神様」のように、ファンから「水神様」と呼ばれる右腕が、3年目の来季のさらなる飛躍を誓った。

 「村神様」ならぬ「村の神様」。水上は人口約8800人の長野県宮田(みやだ)村出身の初めてのプロ野球選手。新人王の快挙に村役場に垂れ幕が掲げられ、新聞の号外が配られ、くす玉が割られた。

 この日の提示額には「ニヤニヤしちゃいました」と頬が緩みっぱなしだった。大幅昇給を見込んで購入した黒色のベンツの納車は2日後。金額は「伏せておきます」と明かさなかったが「給料を上げて車を買おうとしていたが、思ったより早く買えました。納車が楽しみ。いいシーズンだった」と育成出身の24歳が超高級車を手にする。

 異名は「水神様」。20年育成ドラフトでも下位の5位で入団し、昨年5月に支配下登録。2年目の今季はチーム2位の60試合に登板し、4勝4敗1セーブ、防御率1・77で新人王と最優秀中継ぎ投手のタイトル獲得と駆け上がった。水神様と呼ばれることには「ちょこっと知っていましたが、7月がピークでした」と回想。7月は11試合登板で防御率0・00も8、9月に成績が悪化し「来年はずっと水神様で頑張ります。防御率0点台で終えたい」と目標を立てた。

 99年オフに松坂が1300万円から7000万円に438%アップして以来の300%増。86年に「流行語大賞」を「新人類」で受賞した渡辺久信GMは「村も大騒ぎでしょう」と笑う。水上も「職に困ったら村長になろうかと思います。いけると思っています」と口も滑らかだ。

 もちろん村長より、尊重するのは4年ぶりリーグ制覇。「個人タイトルはチームの成績の次。来年は絶対優勝します」と掲げた。(神田 佑)

 ◇水上 由伸(みずかみ・よしのぶ)1998年(平10)7月13日生まれ、長野県宮田村出身の24歳。宮田小3年で野球を始め、宮田中では軟式野球部。山梨・帝京三、四国学院大に進み、1年春から外野手でベンチ入りし2年春に首位打者獲得。3年秋に投手転向し、最多勝と防御率1位に輝いた。20年育成ドラフト5位で西武入り。21年5月に支配下登録、デビューから17試合連続無失点はパ・リーグ新人記録(当時)。1メートル76、77キロ。右投げ右打ち。

 ▽長野県宮田村 県南部に位置し、面積は54.5平方キロ、標高1650メートル。村の東側はなだらかな平野部で、西側には中央アルプスの最高峰・木曽駒ケ岳がそびえる。晴天率が高く、冬の降雪量も少ないため、21年には「全国住みたい村」(宝島社調べ)第1位に輝いた。特産品は豆腐、地ビール、ワインなど。ご当地ゆるキャラの「みやさん」は宮田村を愛する犬の妖精という設定。

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