池田・高野は“ラオウ級” オリ・スカウトも注目 本塁打で確信歩きに「2、3歩走り始めた時に…」

[ 2022年7月11日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権徳島大会・1回戦   池田4―0阿波 ( 2022年7月10日    鳴門オロナミンC球場 )

<阿波・池田>池田・高野光海外野手は高校通算19号のホームランボールを手に笑顔
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 鋭い金属音が響くと球場はどよめき、左翼手はすぐに打球を追うのをあきらめた。打った池田・高野は本塁打を確信したように歩いていたが、試合後は少し恥ずかしそうに実状を打ち明けた。

 「2、3歩走り始めた時に両ふくらはぎをつってしまって…。でも、打球のゆくえを最後まで見届けられたのは良かったです」

 1―0の8回2死から味方が連打で一、二塁の好機をつくると、初球の直球を完璧に捉えた。高校通算19号となる打球がスタンドに届くと、一塁の手前で右手を突き上げた。3打席目までは、いずれも2死無走者で凡退。視察したオリックスの乾絵美スカウトは「長打力は魅力。ここぞの場面で打てるあたり、さすが注目選手」と称えた。

 出身は兵庫県だが、甲子園に出場できる環境と井上力監督の熱心な誘いを受け県外での力試しを選んだ。その井上監督は徳島商時代にオリックス・杉本を指導。「潜在能力は遜色ない。飛距離もあるし、大化けする可能性はある」と“ラオウ級”の逸材と認める。

 池田に入学してからは、筋力アップのためベンチプレスやスクワットに取り組み、握力は右67キロ、左70キロという怪力の持ち主。体重が増えにくい体質に悩みながら、好物のマーボー豆腐で山盛りの白米をかき込んだ。進路をプロ希望と表明し「どんな形でも行きたい」と熱望する。

 1992年以来となる夏の甲子園出場へ、2回戦はシード校・徳島商との名門対決が待つ。「単打の延長が本塁打になれば。自分が打って勝てたら最高ですね」。意欲に満ちた目がキラリと光った。

 ◇高野 光海(こうの・ひかる)2004年(平16)6月17日生まれ、兵庫県宝塚市出身の18歳。丸橋小1年時に丸橋小クラブで野球を始め捕手。南ひばりガ丘中では伊丹中央ボーイズでプレー。遠投100メートル、50メートル走6秒2。好きな選手はカブス・鈴木誠也。1メートル85、85キロ。右投げ右打ち。

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2022年7月11日のニュース