ヤクルト・村上 2試合連続満塁弾!セ同一カードでは「ミスタータイガース」藤村富美男以来69年ぶり

[ 2022年5月8日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト6―2巨人 ( 2022年5月7日    東京D )

<巨・ヤ>3回、2試合連続となる満塁弾を放つ村上。投手・シューメーカー(撮影・河野 光希)
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 ヤクルトの村上宗隆内野手(22)が7日、巨人戦の3回に9号満塁本塁打を放ち、3月28日以来の首位浮上の立役者となった。2試合連続でのグランドスラムはプロ野球史上9人目。セ・リーグでは3人目で、同一カードでは69年ぶりの快挙となった。打点は31とし、巨人・岡本和を抜いてリーグトップに浮上。ツバメ軍団の若き主砲が、いよいよエンジン全開だ。

 まるで前夜のVTRを見ているようだ。2―0で迎えた3回無死満塁。村上がバットを一閃(いっせん)すると打球は右翼席の中段まで伸びていった。

 「いい角度で上がってくれたので、入ったかなと思った」。シューメーカーが1―1から投じた内角低め136キロスプリット。膝を柔らかく使い、体の軸をブレさせず捉えた。会心の9号グランドスラム。4番の仕事だ。

 約20時間前、同じ3回の満塁機に堀田の内角低めの149キロ直球をバックスクリーンへ打ち込んだばかり。「前日のことがよぎったか?」の質問には「いや、ないですね。一打席一打席の積み重ねなんで。自然体で打席に入った」。淡々と語るが、セ・リーグの同一カードで2試合連続満塁弾は1953年、国鉄戦での「ミスタータイガース」こと阪神・藤村富美男以来、実に69年ぶり。巨人戦では史上初めてだ。

 「しっかり狙い球を絞って、いい仕事をしてくれている」。そう絶賛した高津監督は投手目線からこう分析した。「どういう状況でも対応していこう、(バットの)芯に当てようというスイングをしてくる。投手にしたら気持ちいいものではないでしょうね」。日米通算313セーブを誇る指揮官も、その対応力の高さを褒めた。

 初回はスプリットを空振り三振。次の打席で同じ球種を完璧に捉えた。対応力を支える一つの要素が柔軟性。ベテラン・青木との合同自主トレでは柔軟の重要性を痛感。毎日のストレッチは欠かさない。今春のキャンプでは畳マットの上でティー打撃を実施。足で地面をつかむ感覚を養うためで「足の力を使う。いい練習」と言った。地面を強く捉え、膝を柔らかく使い、最高の結果につなげた。

 8日は母の日。「育ててくれてありがとう、と。ご飯もたくさん作ってくれましたし凄く感謝しています」と母・文代さんに感謝する若き主砲は、史上最年少の2戦連続満塁弾にはナインへ感謝を述べた。「前の先輩方がつないでくれないと、そういう記録になりませんし、そこで一本打てたのは自信になる。先輩方に感謝したい」。巨人に連勝し首位浮上。球団初の2年連続日本一を狙うチームに勢いをもたらした。(秋村 誠人)

 ≪9人目最年少≫村上(ヤ)が6日巨人戦に続き満塁本塁打。2試合連続満塁弾は18年杉本(オ)以来9人目(セ3人目)のプロ野球タイ記録でヤクルトでは初めてだ。現在村上は22歳3カ月。2戦連続満塁弾を達成した打者では前記杉本の27歳3カ月を下回る最年少記録になった。また、巨人戦でシーズン2本の満塁本塁打は99年波留敏夫(横浜)に次いで23年ぶり2人目。2戦連発は村上が初めて。

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2022年5月8日のニュース