阪神・西勇“ミスターゼロ”まさか…プロ初4点差守れず 矢野監督も想定外「本来の感じじゃない」

[ 2022年4月20日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-5DeNA ( 2022年4月19日    横浜 )

<D・神>4回、DeNA打線につかまり苦しい表情の西勇(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 まるで「ジキルとハイド」を見ているようだった。横浜スタジアムのマウンドには、阪神・西勇が“2人”いた。

 打線が3点を先制した直後の初回。6球で関根、大田、佐野を片付けながら、2回は3安打1四球を集められ2失点。3回は10球で大田、佐野、ソトを料理したのに、4回は再び3安打を許して4―4の同点。抜群の制球力を披露する一方で、早いカウントからコントロールが甘くなる場面も目立った。大勝すら予感させた滑り出しから一転、中盤からは1点を争う展開。矢野監督にとっても想定外だった。

 「芯で捉えられているケースも多かった。ベース上の球の切れというのが、本来の感じじゃなかったんやろうな、とは思うけどね」

 甲子園で前回DeNAに対峙(たいじ)した5日は、118球を投げ切って無四球完封。開幕からの連敗を「9」で止める快投を披露し、聖地に歓喜と安堵(あんど)を呼んだ。続く12日中日戦でも7回無失点。今季の防御率0・40は試合前の時点で両リーグを通じてトップで、自身最長まで残り2回1/3に迫る19回2/3連続無失点としていた“ミスターゼロ”だった。本来の姿からほど遠い日であっても、知恵と経験を駆使して何度も虎を救ってきた。だからこそ意地でも踏ん張りたい5回。三度姿を現したのは「悪い方」の西勇だった。

 先頭の大田に左翼への二塁打を許すと、1死後、ソトに死球。続く宮崎に3打席連続安打となるフェンス直撃の中越え勝ち越し二塁打を食らったところで矢野監督がタオル投入。4点リードを守り切れなかったのはプロ14年目で初。屈辱感すら漂う4回1/3、5失点で今季初黒星が付いた。

 両リーグ最悪のチーム防御率は4・10まで悪化したものの、背番号16が虎投をけん引してきた事実だけは変わらない。降板後、ベンチから必死に声援を送る姿に、西勇の逆襲への強い決意を見た。(八木 勇磨)

 《10試合ぶり敗戦》西勇(神)は4点のリードを守れず4回1/3を5失点で今季初黒星。昨季8月27日の広島戦以来10試合ぶりの敗戦で、5失点は昨季9月24日の巨人戦5失点以来。味方打線の援護による4点以上のリードを守り切れなかったのはオリックス時代を含めて今回が初めて。

続きを表示

この記事のフォト

2022年4月20日のニュース