赤、黄色、白、ピンク。日本ハム首脳陣が多彩なリストバンドを着用する理由

[ 2022年4月13日 07:35 ]

赤いリストバンドの日本ハム・新庄監督
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 赤、黄色、白、ピンク…。ファンの皆さんならお気づきだろうが今季から日本ハムの首脳陣は、それぞれが与えられたカラーのリストバンドを着用している。

 スポーツにおけるリストバンドはテニスプレーヤーが試合中に汗が手に流れ、手がすべることを防ぐために使用されたことが始まりとされる。野球では元阪神の掛布雅之氏(66=評論家)が手首の保護目的で着用したのが始まりとされ、テニスほどリストバンドが必要とされることはないが、とっさに額の汗を拭う際に使われることが多い。

 ではなぜ、新庄監督を始め試合に出場しない首脳陣がリストバンドを着用するのか。もちろん汗を拭うシーンもあるが、指揮官に問うと「あれも(俺の)指示。分かりやすいように、守備位置の指示とかでパッと分かる方が(良いよ)ね」と意図を説明する。

 今季の日本ハムは外野の守備位置がころころ変わる。現役時代は投手の腕の出方、捕手のリード傾向、打者のスイング軌道から導き出される打球予測能力で10度のゴールデングラブ賞を獲得。その能力は指揮官になってからも生かされており、打者ごとにベンチから守備位置の指示が送られている。

 指示はベンチの紺田外野守備走塁コーチから出されるが、外野からベンチは遠く、選手とコーチの区別が全く付かない。そこで生きるのがリストバンドである。紺田コーチはピンクのリストバンドを両腕に着用しており、遠目から見てもはっきりと分かる。

 「見やすいでしょ!」と話す指揮官も、コーチ陣からはやや不人気だそうで「コーチは付けたくないんじゃないかな。あんまり目立ちたくない…」と苦笑いする。ベンチからの指示を必要としなくても右翼、左翼手を動かす。そんな指揮官の頭脳を持った中堅手の早期出現を、新庄監督はもちろんコーチ陣も願っている。(記者コラム・清藤 駿太)

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2022年4月13日のニュース