阪神・西勇 苦手のバンテリンDで意地の7回零封!2勝目消えるも防御率リーグトップの0.40

[ 2022年4月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー2中日 ( 2022年4月12日    バンテリンD )

<中・神>5回、ピンチで鵜飼を打ち取り、雄たけびをあげる西勇(撮影・椎名 航)
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 好投が報われなくても、現実を受け止め、阪神・西勇は前を向いた。逆転を許した湯浅を気遣った。悔しそうにベンチに戻ってきた際に肩をたたき、言葉をかけて気遣った。自身は7回7安打無失点で勝利投手の権利を持ったまま降板。あと少しのところで白星を手にできなかった悔しさを押し殺し、肩を落とす後輩を思いやった。

 要所で意地が勝った。1―0の7回1死、一、二塁。球数も100球を超え、疲労がピークに達する中で迎えた最大のピンチも落ち着いていた。岡林を二直に仕留め、二塁走者・京田の帰塁が間に合わずに併殺が完成すると、グラブをたたいて、「ヨッシャー」と叫んだ。

 この日は再三、得点圏に走者を背負いながらも、粘りの投球を見せた。初回は2死から鵜飼に左翼線二塁打を打たれたが、ビシエドを高めの直球で詰まらせて中飛に仕留めた。4回は2死、5回も1死から長打を打たれてピンチを招くなど、毎回安打を許しながらも、本塁生還は許さなかった。

 オリックス時代から中日戦は通算5勝7敗。バンテリンドームでも1勝6敗で3連敗中だった。相性が悪い中でも力を発揮した。矢野監督も「らしさはしっかり出たと思う。申し分ない」とたたえ、福原投手コーチも「非常にいいピッチングだった。テンポもよくて、何とかチームに勝ちをというピッチングをしてくれていた」とうなずいた。

 前回5日のDeNA戦では118球の力投で完封勝利。この日も勢いそのままだった。3月29日の広島戦の4回から続く連続無失点も19回2/3まで伸ばした。防御率もリーグトップの0・40。この日は言葉を発することなく、球場を後にして悔しさをにじませたが、好調を維持すれば、いずれ光は訪れるはずだ。(長谷川 凡記)

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2022年4月13日のニュース