福島敦彦氏 チームが引き締まる“いい勝ち方”だった大阪桐蔭 無四球の川原投手、今後へ価値ある108球

[ 2022年3月25日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第6日第1試合・1回戦   大阪桐蔭3-1鳴門 ( 2022年3月24日    甲子園 )

<大阪桐蔭・鳴門>鳴門を破り、校歌を合唱する川原(左から4人目ら大阪桐蔭ナイン(撮影・坂田 高浩)
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 【福島敦彦の迫球甲子園】両投手が互いに持ち味を発揮する、見応えある投手戦だった。

 大阪桐蔭の川原君は1メートル88の長身から140キロ台の真っすぐと縦のスライダー、スプリットを駆使し高低を意識した配球。3ボールになってもしっかりと腕を振り鳴門の各打者に隙を見せなかった。無四球は立派の一言。昨夏の近江戦では四球から自滅した形で決勝点を奪われたが、その悔しさを糧に取り組んだ冬場の鍛錬が、この日の結果に表れた。2年生の主戦左腕、前田君が注目される中、108球の完投は今後の日程を考えても非常に価値あるものだった。

 鳴門の左腕・冨田君は3失点したが、川原君同様に制球力があり、球速以上に速く感じる真っすぐとチェンジアップ、スライダーと両サイドを幅広く使う投球は安定感があった。今大会注目の打者、松尾君に対しても四球こそあったが、厳しい内角攻めを徹底し無安打に封じたことで打線を寸断した。

 優勝候補の大阪桐蔭は派手な勝ち方ではなかったが、チームが引き締まる“いい勝ち方”だった。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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