九州国際大付 エース香西が呼んだ11年ぶり8強 強打の広陵を翻弄、11K1失点で2試合連続の完投

[ 2022年3月25日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第6日第3試合・2回戦   九州国際大付4-1広陵 ( 2022年3月24日    甲子園 )

<広陵・九州国際大付>8強入りを決め、ガッツポーズの九州国際大付・香西(撮影・北條 貴史)
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 準優勝した11年以来の8強を決めると、九州国際大付のエース香西一希(3年)はマウンド付近で笑みを浮かべた。11三振を奪って1失点完投。129球を投げ抜いて2試合連続で完投した。「ゲームメークを意識している」という左腕は「自分を追い込みすぎない気持ちがいいピッチングにつながった」と喜んだ。

 1回戦で17安打9得点した強打の広陵打線を翻弄(ほんろう)した。初回に守備の乱れなどがあり先制を許したが、2回以降は「変化球が見極められている」とバッテリーで直球中心に切り替えたことで投球のリズムが良くなった。

 最速135キロの直球は127キロ止まりだったが、スライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜ緩急をつけた。120キロ台でも直球が生き、4回にはアウト全てを三振で奪った。8回に2死からの連打で一、三塁のピンチを背負ったが、最後は直球で見逃し三振に料理。「要所でいい真っすぐがいった」。2年生スラッガー、4番の真鍋慧には「上級生として抑えたい気持ちがあった」と単打1本に抑えた。

 バッテリーで力を合わせた。捕手の野田とはクラスメートで席が隣。休み時間にはタブレット端末を見ながら野球談議に花を咲かせている。「配球のことを常にコミュニケーションを取ってしています」と香西。楠城徹監督は「香西は思っていた以上の投球をしてくれた。バッテリーを中心とした内野の守りも凄く良かった」と目を細めていた。(杉浦 友樹)

 ◇香西 一希(こうざい・かずき)2004年(平16)10月13日生まれ、福岡県福岡市出身の17歳。小学2年の時に高取少年野球クラブで野球を始める。中学は糸島ボーイズに所属。高校では1年秋の県大会から背番号11でベンチ入り。昨秋から背番号1。目標の選手はヤクルトの石川。1メートル71、70キロ。左投げ左打ち。

 《佐倉 つなぐ意識で3安打》九州国際大付の2年生4番・佐倉侠史朗が甲子園初安打を含む3安打の活躍。1回戦はサヨナラ左邪犠飛を放つも無安打に終わり、足の上げ方、タイミングなどを試行錯誤したことで結果を出した。3方向に単打を放ち「つないでいく意識だった」。広陵・真鍋慧との「2年生スラッガー対決」としても注目された。ともに一塁手で安打を打った際に会話をし、佐倉は「お互いにナイスバッテイングだったり言いました」と明かした。

 《黒田 4安打4打点でチーム全打点》九州国際大付の1番・黒田義信(3年)が5打数4安打4打点でチームの全打点を叩き出した。2回2死満塁で右前に逆転の2点打を放つと、1点リードの8回2死一、二塁では右越え適時三塁打。「1回戦は緊張して自分の打撃ができなかったのでうれしい」と声を弾ませた。昨秋の県大会の途中から4番から1番に。高校通算28本塁打で4番・佐倉にはライバル心を抱いており「先輩なので負けたくない」と語った。

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2022年3月25日のニュース