広陵・西凌矢は「兄の本拠地」で大好きな兄の背中に一歩近づいた

[ 2022年3月25日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第6日第3試合・2回戦   広陵1-4九州国際大付 ( 2022年3月24日    甲子園 )

<広陵・九州国際大付>7回2死一塁、広陵・西は左飛に倒れる(撮影・北條 貴史)
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 【いっちーの球春胸キュン日記】広陵の西凌矢君(3年)は兄の本拠地で持ち味を発揮しました。

 阪神・西純矢投手を兄に持ち、幼少期から時間があればキャッチボールをするほどの仲良し兄弟。純矢投手が創志学園(岡山)のエースとして出場した18年夏の甲子園はアルプス観戦し、「かっこいいなあ、自分もあそこに立ちたい」と兄と同じ舞台を志しました。

 純矢投手が「弟はマジメで悩むタイプ」と証言する凌矢君。「兄がすごいから弟もすごいと思われる。悔しさとプレッシャーで嫌な気分になることもありました」と、自慢で憧れであるはずの兄の存在に、悩むこともあったそうです。しかし、広陵のハイレベルな野球に必死に食らいつく日々が「自分に向き合える」時間をくれました。例えば1年秋に内野手から外野手に転向した際は慣れないフライの捕球をグラウンドの消灯時間まで練習。打撃不振に陥った時には納得がいくまでバットを振り続け、雑念も振り払いました。

 打撃を買われ、背番号16で臨んだ甲子園。敦賀気比戦では8回に代打出場し、適時二塁打。九州国際大付戦でも7回に代打出場し、結果は左飛でしたが、夢舞台に足跡を残しました。「プロ野球選手になりたい」――。大好きな兄の背中に、一歩近づいた春でした。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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