西武、重盗成功の裏に源田が仕掛けた“ワナ”　わざと走塁遅らせ誘った捕手の送球

オープン戦   西武1－1ヤクルト （ 2022年3月18日    ベルーナD ）

＜西・ヤ＞5回2死一、三塁、鈴木のときに重盗し生還する愛斗（右）、捕手・古賀（撮影・尾崎　有希）
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　【追球ズーム　ここにFOCUS】西武の「獅子おどし打線」をもってしても昨季チーム得点521はリーグ5位。辻監督は「打ってばかりでは点は取れない。足を絡めたりすれば、また違った野球ができる」と力説する。違った野球を見せたのは5回だ。

　2死一、三塁。打者・鈴木の2球目に一塁走者の源田がスタートを切ったが、意図的にワンテンポ遅らせた。春季キャンプから何度も練習を繰り返したプレー。指揮官は「源田が普通に走ってセーフのタイミングだったら相手は考えない」。このわなにヤクルトの捕手・古賀がはまった。「アウトにできる」と考えたのだろう。三塁走者の動きをチェックせずに二塁に投げた。三塁走者の愛斗がスタート。重盗に成功した。

　捕手にボールが届いてからスタートを切るディレードスチールよりも速い、絶妙のタイミングで捕手の送球を誘ったプレー。シーズン開幕まで1週間。本番モードのプレーが成功し、現役時代から緻密なプレーが得意だった辻監督も「走塁は大きな武器」と言う。最下位からの逆襲のヒントが、ここにある。（鈴木　勝巳）