阪神の勢いも青柳の連勝も止まった ツバメキラーまさかの5失点「自分の投球で水を差すような形に」

[ 2021年9月8日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0ー12ヤクルト ( 2021年9月7日    甲子園 )

<神・ヤ>3回1死一、二塁、村上に3点本塁打を打たれた青柳(撮影・成瀬 徹)
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 阪神は、7日のヤクルト戦に今季ワーストの18安打を浴びるなど0―12で大敗し、連勝は3でストップした。先発の青柳晃洋投手(27)が、序盤からヤクルト打線につかまり5回8安打5失点で3敗目。今季3勝を挙げている“燕キラー”がまさかの乱調で自身の連勝は8でストップした。2位・巨人も敗れたため首位はキープしたものの、今後に不安を残す1敗となった。

 青柳は、絶望のまなざしで打球方向を見つめるしかなかった。聖地のため息を吸い込んだ白球は、右中間スタンド中段に着弾した。

 「チームも良い流れで迎えた試合でしたが、自分の投球で水を差すような形になってしまい、チームに本当に申し訳ないです」

 2点劣勢の3回1死一、二塁だ。村上に初球のシンカーを完璧に捉えられた。試合前時点で10打数5安打と打ち込まれていた相手。戦前から「(村上の前に)走者をためないように」と警戒していた状況をつくられ、最悪の結果に直面した。今季だけで村上に3本目の被弾となる痛恨の3ラン。早々と勝負を決められてしまった。

 序盤から、つまずいた。初回は1死二塁から青木に左前に運ばれ先制点を許すと、2回も2死からサンタナに右越えソロを被弾。リードオフマン塩見、主軸の山田と右打者を外し、先発に左打者を5人並べて“青柳対策”を敢行してきたヤクルト打線の餌食となった。敵軍が必死になってきたのも、青柳が今季すでに3勝を挙げ、この日まで対戦防御率2・02と抜群の相性を誇っていたからだ。結果、左打者4人に安打をマークされるなど“燕キラー”の牙城は崩された。ヤクルト戦の黒星は、19年8月7日以来2年ぶりとなった。

 巨人との3連戦を2勝1分けで終え、チームが首位を奪還した最高のムードを追い風にできず、5回5失点で降板。矢野監督は「もうちょっとバッテリーが工夫できるところがあったんじゃないかな。1点はね、仕方ない部分はあるけど、次の3点はちょっと重い」と村上に初球を仕留められた痛恨の3ランに対し、バッテリーに猛省を促した。

 前回8月31日の中日戦に続き、キャリア初の2試合連続での5失点。福原投手コーチも「疲れという部分が出ているのか…。調子自体ちょっと落ち気味かな」と評したように、開幕からフル回転し、五輪にも参加した疲労が垣間見える乱調だ。

 4月28日の中日戦以来の黒星となる今季3敗目で、自身の連勝も8でストップ。チームとともに小休止となったが、先発陣における背番号50の存在の大きさは変わらない。この1敗を再加速への原動力にする。(遠藤 礼) 

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