広島・森下 初の連敗でも光明あり 12球のカーブが見せた近未来の復活劇「全体的に良かった」

[ 2021年4月21日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-2ヤクルト ( 2021年4月20日    マツダ )

<広・ヤ>7回2失点と力投するも、2敗目を喫した広島・森下 (撮影・奥 調)
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 広島・森下暢仁投手(23)は20日のヤクルト戦で7回2失点の我慢の投球も報われず2敗目を喫した。同戦は昨季から4連勝中だったが通算6試合目で土が付き、14日の阪神戦に続き自身初の2連敗となった。打線が1得点と援護できず、チームは勝率5割に逆戻りし4位に後退した。

 森下は自らの力で重苦しい雰囲気を変えようとした。中5日での登板で今季自身最多4四球を与えながら我慢の2失点。ただ、勝負どころの6、7回で許した2イニング連続の失点を「大事な1点だった」と悔やんだ。

 「やっぱり(点を)取られてはいけないところで取られた。雰囲気もそうですし、流れが変わってしまう。取ってもらった分、何とか粘らないといけないところでできなかったのが反省です」

 先頭打者の出塁が勝敗を分けた。1―0の6回、先頭の山崎に左越え三塁打されると、続く中村に右翼へ同点犠飛を許した。さらに7回は先頭の松本友に四球を与え犠打と暴投で1死三塁。代打・川端にはカウント2―2から内角を狙った真っすぐがやや甘くなったところを右前に決勝適時打を浴びた。

 「両方とも先頭から(の失点)だった。入りは改めて大事だなと思った。もちろん流れもあるし四球は駄目。そこは反省して次に生かしていきたい」

 5回5失点で今季初黒星を喫した前回14日の阪神戦に続く自身初の連敗。それでも、前回からの改善点は見られた。制球が不安定だったカーブを17球中12球でストライクにし、緩急は使えた。「試行錯誤しながらやってきた。とにかく腕を振るところを一番(に意識した)。(全球種とも)全体的に良かったのかなと思う」。横山投手コーチも「本人が前回よりも感覚は良くなったと言っていた。それが一番だと思う」と悲観しなかった。

 開幕投手の大瀬良が16日に出場選手登録を外れ、2年目ながら主戦の一人として責任を背負っての投球が続く。佐々岡監督は「いつも完璧はなかなか難しい。7回2失点は合格点。前回負けているなかで、思い切れなかった悔しさを持っているだろうし、一番悔しいのは本人だと思う」と責めはしなかった。森下にとっては、手応えと反省を整理する敗戦となった。(河合 洋介)

 《打線は援護できず 「元気なのは菊池くらい」》1点しか奪えず力投した森下を援護できなかった。6回から3イニング連続で得点圏に走者を置いたが無得点に終わり佐々岡監督は「打線が機能しないとしんどくなっていく」と攻撃陣に奮起を促した。鈴木誠は6回2死二塁と8回2死一、二塁の好機でいずれも空振り三振。4月の7打点は全て本塁打で3月31日阪神戦を最後に適時打がない。朝山打撃コーチも「元気なのは菊池くらいでみんながイマイチな感じ。大量点は難しい。何とか得点圏に進めて1点」といい、4番の勝負所での一本が待たれる。

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