「純国産打線」の楽天がスタートダッシュできた要因は…外国人合流でさらに得点力アップも

[ 2021年4月3日 12:33 ]

楽天・石井監督
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 シーズンが開幕し、みなさんの「推しチーム」のスタートはいかがだっただろうか。パ・リーグは1位・西武、2位・楽天が開幕から2カード連続で勝ち越しに成功した。両チームに共通しているのが、「純国産打線」でスタートダッシュを決めたことだ。

 注目したいのは楽天だ。2日終了時点で、33得点8本塁打はともにリーグトップ。本塁打による得点の比重が高いものの、2日のオリックス戦では小郷が相手の虚を突いたスクイズで得点を奪うなど、大技だけでなく小技も駆使しながら戦いを進めている。盗塁数こそリーグ最少(1個)だが、エンドランや次の塁を狙う積極的な走塁で得点を生み出している。

 4位に終わった昨季は、チーム打率と総得点はリーグトップだった。石井監督は「オフェンス力はある程度、整備できている」と話すように、自慢の打線は今季もチームの看板でもある。24本塁打を放ったロメロがオリックスに移籍したが、新外国人のディクソン(前タイガース)とカスティーヨ(前レッドソックス)がポイントゲッターの役割を期待されている。新型コロナウイルスによる入国規制で3月29日に来日したばかりで、現在は隔離措置期間中だ。

 しばらくは「国産打線」で戦うことになるが、主将の茂木が打線をけん引している。開幕から5番に座り、打率・478、2本塁打、8打点のチーム3冠。1番・辰己(打率・300)と2番・小深田(打率・321)の「ドラ1コンビ」も好調で、チャンスメーカーとして大きな役割を果たしている。

 開幕前に石井一久監督は「打線の中で浅村を孤立させていけない。その前と後ろを打つ打者が重要」と力説していた。浅村はここまで打率・318、1本塁打、2打点、6四球(出塁率・464)で、1~4番までに広げたチャンスを茂木が生かすという得点パターンがうまく機能している。ここにカスティーヨやディクソンが加入すれば打線に厚みが増すだけに、今季も「犬鷲打線」はライバルチームにとって驚異になりそうだ。

 セ・リーグに目を向けてみると、DeNAは外国人不在の影響もあって開幕から未勝利と苦しんでいる。各球団の助っ人が合流すれば、戦い方やチームの成績にも大きく変化するだろう。シーズンは始まったばかり。今季も外国人選手の存在が長いペナントレースの行方を左右しそうだ。 (記者コラム・重光晋太郎)

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