木更津総合 2年ぶりV!篠木 交流試合から「刺激」最速149キロ7K完投&三塁打

[ 2020年8月19日 05:30 ]

千葉大会・決勝   木更津総合2―1専大松戸 ( 2020年8月19日    千葉県 )

<木更津総合・専大松戸>優勝を決めて喜びを爆発させる篠木(右から2人目)ら木更津総合ナイン(撮影・尾崎 有希)
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 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は18日、千葉と埼玉で計5試合が行われた。千葉の決勝は木更津総合が専大松戸を2―1で下し、2年ぶりの頂点に立った。エースで主将の篠木健太郎投手(3年)が7三振を奪い、4安打1失点で完投。自ら先制適時三塁打も放ち、投打で活躍した。最速150キロを誇る右腕は大学進学を決めているが、将来的なプロ入りを誓った。

 苦しい場面こそ、我慢して背中でチームを引っ張る。エースと主将を務める篠木の信条だ。2―1で迎えた8回無死一、二塁。最大のピンチだった。

 「勝負どころだ。ここを抑えたら流れは完全に来るぞ」。マウンド上で自らに言い聞かせた。9番打者のバントした打球が三塁線に転がると、猛然とダッシュ。三塁へ矢のような送球で封殺した。続く1番打者も二ゴロ併殺に仕留めると雄叫びを上げ、何度も拳を突き上げた。今大会、一歩引いて冷静に周囲を見渡してきた主将が初めて見せる姿だった。

 甲子園交流試合をテレビで観戦。中京大中京の高橋宏斗(3年)や明石商の中森俊介(3年)ら自身と同じ本格派右腕の活躍に「刺激を受けました。自分も負けないように」と闘志が湧いた。直球は自己最速にあと1キロに迫る149キロを計測し、7三振を奪う力投を見せた。コロナ禍で優勝しても甲子園の道は閉ざされた。それでも「大会ができることが当たり前の状況ではない。感謝の気持ちしかない」と言った。

 9回、最後の打者を三ゴロに打ち取ると、全選手がマウンドに集まり、歓喜の輪ができた。優勝した1年夏はベンチから駆けつけた輪。あれから2年が過ぎ、迎えた最後の夏。輪の中心にいた篠木の目から涙がこぼれた。

 プロも注目し、視察したDeNAの吉見祐治スカウトは「現段階でも(ドラフト)中位で指名される力がある」と評価する。ただ篠木は進学を予定。「大学で全体的にレベルアップして、今日みたいに勝てる投手を追求していきたい」と誓った。4学年先輩で早大に進み、今秋ドラフト1位候補になった左腕・早川のような成長を目指す。(柳内 遼平)

 ◆篠木 健太郎(しのぎ・けんたろう)2002年(平14)5月7日生まれ、群馬県出身の18歳。小3から野球を始め、明和中時代は硬式の館林ボーイズでプレー。木更津総合では1年春からベンチ入りし、夏の甲子園で下関国際との3回戦に救援登板した。1メートル78、72キロ。右投げ左打ち。

 ▽木更津総合 木更津中央と清和女子短大付を統合し、2003年(平15)に開校。硬式野球部は木更津中央時代を含めて春3回、夏7回の甲子園出場で通算14勝(春6、夏8)。OBに井納翔一(DeNA)、鈴木健矢(日本ハム)ら。

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