国士舘・中西 憧れ甲子園で完投勝利も「幸せだな、しか言葉が出ない」

[ 2020年8月16日 05:30 ]

2020年甲子園高校野球交流試合   国士舘4―3磐城 ( 2020年8月15日    甲子園 )

<国士舘・磐城>完投勝利を挙げた国士舘・中西(撮影・成瀬 徹)
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 マウンドで思いがあふれた。「小さい頃から憧れてきた場所で投げられるなんて幸せだな」。国士舘のエース右腕・中西健登(3年)はその思いを127球にぶつけた。

 「完投勝利ができると思っていなかった。幸せだな、しか言葉が出てこないです」

 直球は自己最速を4キロ更新する137キロを計測した。交流試合に照準を合わせ、西東京の代替大会では敗退した5日の準決勝、佼成学園戦の登板を回避。満を持した夢舞台で、カットボールやシンカーを駆使し、9安打を許しながら3失点で投げきった。

 昨年のセンバツはベンチ入りも、登板はなし。聖地初マウンドを「アドレナリンが出ていた。いつもより体も軽かった」と振り返る。8回終了時、疲労を心配した永田昌弘監督から声を掛けられたが、続投を志願した。「最後まで投げきることができたのは成長。気持ちよく終わることができて良かった」。最後の打者を空振り三振に斬った。

 「甲子園で終われる学校は少ない。最後は全力でできた」と最高の笑みを浮かべた。(柳内 遼平)

 ▼国士舘・水村颯一郎(3回の逆転右前適時打含む3安打2打点)力や技術ではなく、応援してくれている人が打たせてくれた。めちゃめちゃ楽しかった。

 ◆中西 健登(なかにし・けんと)2002年(平14)8月26日生まれ、東京都出身の17歳。小1から捕手で野球を始め、緑丘中では硬式の調布シニアでプレー。国士舘では1年秋からベンチ入り、2年秋から背番号1。50メートル6秒1で遠投は95メートル。1メートル86、70キロ。右投げ右打ち。

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