ツインズ・マエケン 無傷の3勝目&日本人投手8人目の米50勝 指揮官絶賛「魔法のような投球だった」

[ 2020年8月14日 02:30 ]

インターリーグ   ツインズ12―2ブルワーズ ( 2020年8月12日    ミラー・パーク )

<ブルワーズ・ツインズ>6回2/3を2失点で今季3勝目を挙げた前田。日本人投手8人目となるメジャー通算50勝の節目(AP)
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 ツインズの前田健太投手(32)が12日(日本時間13日)、ブルワーズ戦に先発し、6回2/3を5安打2失点で無傷の3勝目を挙げた。日本人投手では8人目となるメジャー通算50勝目。海を渡って5年目で節目の勝利数に到達した。ドジャースから移籍1年目で先発陣の柱になった右腕。3勝は両リーグトップタイに躍り出た。

 この日も勝てる。それを裏付ける1球は初回2死無走者だった。前田は3番のイエリチを迎えた。18年ナ・リーグMVPの左の強打者を相手に1ボールから82マイル(約132キロ)のスライダーを内角低めに投げ込んだ。見逃せばボールだったが鋭く曲がり、振りだしたバットは止まらない。

 「ケンタは魔法のような投球だった」。絶賛したのはロッコ・バルデリ監督だ。右腕に対し、ブルワーズは6人も左打者を並べた。5回までわずか1安打で無失点。6回まで12得点の援護を受け「味方が大量得点してくれたのでとにかく守備の時間を短く、どんどん打ち取ることができて良かった」と7回途中2失点にまとめた。

 「左殺し」が好調の要因だ。昨季までのドジャース時代は18年の被打率・276が物語るように、左打者を苦手にしていた。今季は左打者に対してスライダーの曲がりを小さく、鋭く改良した。それによって直球やチェンジアップと同じ軌道から変化させることが可能になった。

 左打者にとって、長打の出やすい体の近くで変化するスライダーが見極めにくくなり、痛打が減った。捕手のガーバーも「うちの投手コーチもダグアウトから見ていて、球種の見分けがつかないと言っていた」と証言する。この日、対左打者は15打数3安打で被打率・200。今季通算では・154で、右打者の・156を下回るほどだ。前田も「左打者を苦にすることなく、いい感じで投げられている」と胸を張った。

 ドジャース時代は対左打者の成績などもあり、早めに交代させられることが多かった。今季のクオリティースタート(6回以上、自責3点以下)は4度の登板で3度。安定した投球で無傷の3連勝である。コロナ禍で開幕が約4カ月遅れたことで調整が難しく、投手の故障者が続出する中で信頼に応えている。

 同じ1988年生まれの田中(ヤンキース)、秋山(レッズ)と初めてそろって出場した日に一番の活躍。メジャーで節目の勝利にも「50勝するためにこっちに来たのではない。これからも勝ち星を積み上げていけるようにしたい」。日米通算は147勝。あと3勝でまた節目が来る。(奥田 秀樹通信員)

 《2年ぶり日本選手6人出場》日本選手はこの日、前田をはじめ田中、山口(ブルージェイズ)と投手3人が登板、野手も秋山、大谷(エンゼルス)、筒香(レイズ)と3選手が先発し、6選手が出場した。日本選手6人の同日出場は18年4月13日の同じ6人以来2年ぶり。前回は野手ではイチロー(マリナーズ)、大谷、投手では前田、ダルビッシュ(カブス)ら4選手が登板。

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