法大 タイブレーク制す 延長12回「野尻外野手」が登板、リード守って3連勝に貢献

[ 2020年8月14日 17:44 ]

東京六大学野球春季リーグ・第5日   法大3―2明大 ( 2020年8月14日    神宮 )

<法大・明大>タイブレーク延長12回、力投する法大・野尻(撮影・郡司 修)
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 法大が明大をタイブレークの末、延長12回3―2で下し、開幕から3連勝を飾った。

 延長12回、この試合最初の打席で中飛に倒れた直後にマウンドへ向かった法大・野尻幸輝外野手(2年、木更津総合)に最高の見せ場がやってきた。無死一、二塁から明大・中山のバントを素早く処理すると迷わず三塁へ。1―5―4の併殺で宿敵の息の根を止めた。

 「高校は内野手だったし、守備には自信あった。打撃では貢献出来なかったけど(1打数無安打)投手で貢献出来た」。試合後ナインと抱擁後、興奮のあまり会見場へマスクを忘れ、登場したヒーローは照れ笑いした。

 大学初マウンド。練習試合も経験はない。実戦は18年9月3日、U18高校侍ジャパンの一員として香港戦に先発して以来だ。右肘痛で法大入学後は外野手に専念したが、青木久典監督は普段から打撃投手を買って出る野尻の姿を覚えてた。

 「試合中に“行くよ”と話していた」。9回の攻撃中に神宮外野ブルペンで約20球投げ込み、ベンチへOKサイン。本職の投手が1人残っていたが「守備なら野尻が上」と指揮官に迷いはなかった。

 チームはタイブレーク連勝を含め3連勝。「壮絶な戦いだった。法政、明治ともお互いの意地をかけた総力戦」と青木監督が3時間35分の激戦を振り返ると、今後の戦いについて「夏場のリーグ戦だから投手は短い回になるかも。(野尻が)野手として投げられることは非常にありがたい」と“オプション”を示唆した、野尻も「自分は投手も好き。また投げられる機会があれば」と二刀流に意欲を燃やした。

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