掛川西のプロ注目142キロ左腕・沢山、12年ぶりセンバツへ「僕が連れていく」

[ 2020年8月9日 05:30 ]

今後の飛躍が楽しみな掛川西の最速142キロ長身エース沢山
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 来春センバツへの参考資料となる第73回秋季高校野球静岡県各地区大会の組み合わせが決まった。14日に開幕する西部では、12年ぶりの聖地を見据える掛川西の沢山優介投手(2年)から目が離せない。1メートル84の長身から投げ下ろす最速142キロの快速球は、まさに伸び盛り。県No・1左腕としてプロから熱視線を浴び続けることは間違いなく、磐田南との初戦から実力と存在感を発揮する。

 静岡県高校球界を背負って立つ楽しみな左腕が表れた。沢山だ。1メートル84の長身から繰り出す直球の軌道はまるで糸を引くよう。最速148キロ左腕として脚光を浴びた1メートル77の静岡商・高田琢登(3年)よりサイズがあり、今後の伸びしろは計り知れない。来春センバツを見据えながらのアピールの舞台は磐田南戦から。「自分が中心に投げて抑えて明治神宮大会出場が目標です」と東海制覇へ闘志をたぎらせた。

 練習試合で登板を重ねて自信が膨らんだ。先月末の常葉大菊川と津田学園(三重)戦でともに5回2失点。極めつけは県岐阜商(岐阜)戦だ。最速142キロをマークするなど序盤はコンスタントに140キロ台を連発。6回1失点と好投し「東海地区の強豪相手に真っすぐを含め力が通用しました」と思わず笑顔がこぼれた。今月5日には静岡高の県No・1右腕として評価が高い高須大雅(2年)と投げ合い5回3失点。「意識しています。2人で県内の高校野球を盛り上げたいです」とテンションが上がった。

 多球種時代にあって「全球真っすぐでいきたいくらい」と直球とスライダーだけで勝負を挑む。イメージはドラフト候補としてヤマハで売り出し中の左腕・池谷蒼大投手(21)だ。中学2年秋に恩師が同じという縁でキャッチボール。グラブに収まったボールの感触が今でも忘れられない。17年第89回センバツ2回戦で、静高のエースとして、優勝した大阪桐蔭(大阪)相手に2回以降直球だけで果敢に挑んだ勇姿に「尊敬」のまなざし。「僕も池谷さんに負けないようにやっていきます」と頼もしい。

 掛川西といえば同窓会のようなまとまりのある大応援が有名。2年前の夏、テレビ観戦している最中「あの応援の中で野球がしたい」と門を叩いた。

 「来年は必ず僕がチームと応援団を甲子園に連れて行きます」
 コロナ禍を吹き飛ばすくらいの球威を身につけ、有言実行を果たす。(小澤 秀人)

 ≪学童時代の恩師、成長「楽しみ」≫沢山が上のレベルを意識したのは、学童・浜松ブラッツ少年野球団の卒団間近に登板した浜松ドリームアローズとの定期戦。「スピードが増して、周りの投手より抜きん出ているかな」と感じた瞬間だった。制球が安定せず、主に一塁手や外野手として起用した恩師の村松俊章監督(70)は「中学や高校でものになると思って、学童では結果を求めたくなかったんです」と明かした。思惑通りブレーク寸前の教え子に「楽しみです」と目尻を下げた。

 ◆沢山 優介(さわやま・ゆうすけ)2003年(平15)10月15日生まれ、浜松市出身の16歳。父はブラジル人のハーフで本人はクオーター。城北小2年から浜松ブラッツ少年野球団で野球を始める。6年時は主に一塁手と外野手を務め、県大会出場はなし。浜松北部中では3年春の県中学選抜野球大会にエースとして出場し初戦敗退。掛川西入学後は1年夏からベンチ入りし今秋からエース。1メートル84、77キロ。左投げ左打ち。50メートル走6秒6。家族は父と弟、妹。血液型O。

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